「一心双方向光モジュールとその組立方法」で大阪優秀発明賞を受賞
このたび、「一心双方向光モジュールとその組立方法」で平成21年度大阪優秀発明賞を受賞しました。本賞は、大阪府において完成された発明の中から優れたものに対して授与され、日本の科学技術の確立に寄与した人々の功績を表彰するものです。
本発明は光ファイバを用いた高速通信が可能な、各家庭と局を結ぶFTTHシステムに使用される「一心双方向光モジュール」に関するものです。
一心双方向光モジュールは、光ファイバ1本に上り/下りの信号光を重ねて通信する機能を有し、光ファイバ、送信デバイス、受信デバイスと各々の光結合用レンズ及び異なる送受信波長を分波する光学フィルタ等から構成されています(図1)。内蔵されている光学フィルタは、光ファイバと送信デバイスを結ぶ光軸に対し、正確に45度に配置する必要があり、角度がずれると、受信デバイスの感度やフィルタの分波特性に悪影響を与えてしまいます。
従来の構造では位置調整によりこの角度を決定していたため、部品点数が多く、調整コストがかかっていたことから、これら部品点数の削減、筐体の加工精度の向上と光学フィルタ組立・調整時間の短縮が、一心双方向光モジュールの低コスト化の大きな課題でした。
本発明では、筐体自体に光学フィルタ固定用斜面を配置しました(図2)。
光学フィルタ固定用斜面は、受信デバイス固定部を形成する平面に、光路孔と交差し光ファイバ固定部に達する傾斜溝を45度の角度で、受信デバイス固定部の一部と光ファイバ固定部の一部を連続して切り欠いて光学フィルタ固定用斜面を形成しました。
本筐体は、NC旋盤機を用い一回のチャッキングですべての加工が行えるため、加工時間も短く、加工機の精度によって、45度の傾斜が+/-0.5度以下の精度で形成できます。さらにこの構造では、光学フィルタ固定斜面が上方に180度開放されているので、光学フィルタをまっすぐに下ろしてフィルタ固定斜面に押し付けることにより、短時間で高精度に、角度制御された光学フィルタが固定でき、部品点数が削減され、組立時間も短縮することができました。
これにより、低コストの一心双方向光モジュールが実現でき、FTTHの普及に大きく貢献しました。
本発明を用いた製品「SXT4432-Sシリーズ」
- 波長:1490nm(送信)/1310nm(受信)
- 光出力:+5dBm
- 受信感度:-30dBm
伝送デバイス研究所、住友電工デバイス・イノベーション(株)
