住友電工ホームへサイトマップお問い合わせ
製品情報会社案内プレスリリース株主・投資家情報研究開発CSR活動

パワーラインで情報を送れ

Home > 研究開発 > プロジェクトストーリー > パワーラインで情報を送れ

PROJECT STORY 03

パワーラインで情報を送れ 情熱の国スペインでの大逆転 PLC(Power Line Communication)技術開発プロジェクト

パワーラインで情報を送れ 情熱の国スペインでの大逆転 イメージ

パワーライン。それは電力というエネルギーを社会の隅々にまで送り届ける電力ケーブル網のこと。
PLCは、パワーラインをそのまま通信ケーブルとしても活用。ラストワンマイル問題を一気に解決し、ITインフラ構築を加速させる技術だ。それはまさに人と人を情報でむすび、高度情報化社会を拓くための技術。日本から遠く離れたスペインでいち早くPLC実用化に成功した住友電工PLC技術開発プロジェクトの足跡を追った。

ブロードバンドソリューション事業本部 PLC開発部長 徳丸 亀鶴 電波法改正がならず、一度はプロジェクト解散の危機を迎えたが、ヨーロッパに新たな市場を見出し、舵を切った。
ブロードバンドソリューション事業本部 主幹 弘津 研一 元々は超高圧の電力ケーブルの技術者。通信という新しい世界に挑戦。実証試験ではスペインのマンションの地下室に入って奮闘した。
※ラストワンマイル問題:近くの電柱や基地局まで引かれている光ファイバなどの高速通信回線をいかにして各家庭にまで引き込むかという問題。IT革命の最大の課題とも言われる。
もくじ

01. コンセントでインターネットができる

02. こんな大きなモデム使い物にならない!

03. 突然やって来たパートナー

04. もう一つの突き崩すべき壁

05. 世界最高速PLCモデム完成

06. 挫折を乗り越えスペインへ

07. 情熱の男、マルコス・ロペス登場

08. 納品前日の格闘、そして大逆転

09. プロジェクトが技術を磨き人を育てる

01.コンセントでインターネットができる

 ブロードバンドという言葉がまだ耳慣れなかった`98年の暮れに一本の電話が入った。 「電線の特性を測ってほしい」。相手は電力会社。いつもの配電部門からではなく、日頃付き合いのない通信部門からの依頼だった。内容は電気が流れる電力線に通信信号をのせるという実験。50〜60Hzという遅くて大きい電力の波に、速くて小さい映像や音声の波を重ねることができるのか。技術的課題は何か。当初おぼろげだった目的はすぐに見えてきた。 インターネットだ。電柱から各家庭に引き込まれている配電線を使って、インターネットへのアクセスで一番のネックとなっているラストワンマイル問題を解決できないか。その可能性を探る実験だった。

 電話回線以上の普及率を誇る電力線なら、新たな架設工事の必要がなく、しかも住宅内の各部屋にまでつながっている。コンセントに機器を接続するだけでインターネットができればこんなに素晴らしいことはない。面白い。やってみる価値は十分だ。 年が明けた`99年からモデム試作に向けた変復調方式の比較検討を本格化。 既存の技術をひとつひとつ検証する地道な作業が続いた。また、電力の技術者だけでは埒があかないと通信の技術者も他の研究所からスカウト。たった2人で始まった実験が徐々にプロジェクトへと姿を変え、総勢15名にまでメンバーが増えていった。

02.こんな大きなモデム使い物にならない!

 探し求める技術は身近なところにあった。 ITS(高度道路情報システム)の研究部隊で道路と車の間で通信するOFDM方式の研究が進められていたのだ。周波数の利用効率が非常によく、伝送路ひずみの影響にも強い。これだ。さっそくOFDMの技術を応用してモデムの試作に取りかかった。PLCは電力と通信が重なる技術分野。あらゆる分野の技術を基礎から研究し、様々な事業を展開する住友電工の懐の深さ、技術フィールドの広さが功を奏した。

第1号の試作機は「大きくて使い物にならない」ものだった。

 第1号の試作モデムが完成したのは、2000年の半ば。 1年半の研究成果がいよいよ形になり、PLCが現実のものとなった瞬間ではあったが、それは次なる課題が眼前に現れた瞬間でもあった。 「こんな大きなモデム、使い物にならない!」。中型テレビほどもあるそれは家庭に設置するには確かに大き過ぎた。小型化。チップ化が急務だ。

※OFDM方式:複数の搬送波間が直行関係であることを利用するデジタル多重変調方式の一つ。周波数帯域の有効利用ができる。

1/3 次ページへ
ページトップへ

(C) 2011 Sumitomo Electric Industries, Ltd.
サイトのご利用にあたって個人情報保護方針