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Researcher Clip No,01

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Researcher Clip - aug 31,2006 ものづくりの要素基盤技術となる解析技術を開発し、研究開発と生産へソリューションを提供 研究開発本部解析技術研究センター所属  楫 登紀子 (かじ ときこ)

研究開発本部解析技術研究センター所属 楫 登紀子 イメージ

研究開発本部解析技術研究センター所属。2002年入社。伊丹製作所に配属され、X線回折による構造解析を担当。単結晶の表面歪みの評価法を開発し、「X線回折法を用いた研削歪みの深さ方向非破壊評価」などの学会発表を行ったほか、特許も出願。 現在所属する大阪製作所へ異動後は表面分析を担当する。理学部物理科学科出身。

01 研究内容 02 住友電工だからできること

研究内容

X線回折法の新たな分析技術を確立し、半導体生産の効率化を支援
研究開発本部解析技術研究センター所属 楫 登紀子 イメージ01

 社内外からの依頼や相談に基づいて分析を実施し、研究部門や事業部門へ結果をフィードバック、新製品開発や製造工程の効率化、生産性向上を支援するのが私の仕事です。現在、表面分析を担当し、当研究センターのコア技術の1つである、超極細線の断面組織の観察や集束イオンビーム加工装置によるミクロ分析など、解析機器を使った物理的な分析を行っています。

 会社における解析技術は、製品へ展開されてこそ価値あるものとなります。その意味では、伊丹製作所時代に開発した、X線回折法を用いた単結晶の表面歪みの評価法は展開領域の幅広いものとなりました。この案件は、社内の「半導体の表面歪みを測定してほしい」という依頼からスタートしました。取り組んでみると、非常に細かな設定が必要とされ、しかも5つある設定条件のうち1つでもずれてしまうと狙い通りの測定ができないという厄介なものでした。まずはこの条件設定の最適値を見つけ出すところから始め、手動での設定を経て、自動化を実現したのです。結果、それまでは経験に頼っていた生産プロセスでの加工条件の設定が可能に。半導体ウエハの生産に活用され、品質向上とコスト削減に貢献することができました。

ニーズが高まる有機材料を可視化する新技術の開発に取り組む
研究開発本部解析技術研究センター所属 楫 登紀子 イメージ02

 現在、力を入れているのは有機材料の分析です。有機材料は電子線を照射すると試料にダメージを与えるため、これまでは物理的ではなく化学的な分析が主流をしめてきました。しかし、電子線のあて方次第でダメージを少なくし、化学的分析とは異なる新しい情報(知見)が得られるはずです。これは、低加速走査電子顕微鏡を使いこなす技術者のスキルと発想にかかっています。また、観察前の試料前処理方法にもまだまだ工夫の余地があるはずです。最近の素材は金属単体ではなく、有機材料との複合化が進んでいます。携帯電話や自動車関連といった、広大な市場を持つ分野で使用される材料だけに、新たな解析技術を開発し、製品の生産プロセスに応用されるとどれほどの効果を上げることができるのだろうか—。解析技術者として非常に挑戦心をかき立てられています。

住友電工だからできること

研究部門や事業部門に対するソリューションを提供できる
研究開発本部解析技術研究センター所属 楫 登紀子 イメージ03

 解析技術とは、研究開発や製造プロセスの課題を解決するためのものである—。当研究センターでは、この考え方が徹底しています。新たな解析方法の開発や特許の取得なども、その目的は研究部門や事業部門へのソリューション提供という1点に集約されます。そのため、研究開発や製造の現場とは密接なコミュニケーションを取っています。分析を担当している材料が、現場ではどのように加工され、製品となっていくのか。その際、どのような課題を抱えているのか。それらを理解していることは、分析技術の開発や分析結果の展開に大きな影響を与えます。また、自分自身が担当する分野以外の材料や分析方法へも興味の幅を広げることで、画期的な発想にたどり着くことも可能です。地道な作業の積み重ねではありますが、そうやって現場や材料に対する理解を深めることが、解析技術というものづくりの要素基盤技術を発展させ、住友電工全体の技術力の進化を支えているのです。

研究開発本部解析技術研究センター所属 楫 登紀子 イメージ04

 住友電工の長い歴史の中で、私が関わったのはまだほんのわずかな時間でしかありません。でも、ベテラン技術者から、毎日のように解析技術が持つ意味を教えられ、現場へ足を運ぶように指導されてきました。私も近い将来、先輩たちから引き継いだ技術、そして考え方を基に、幅広い視野に立ったものづくりの基盤を作っていきたいと思っています。

専門用語紹介

▼ X線回折法
X線が結晶格子によって回折される現象(X線回折)を利用し、回折結果を解析して結晶内部で原子がどのように配列しているかを決定する手法。

▼ 集束イオンビーム加工装置
高速のGaイオンを試料に衝撃して切削加工を行うとともに、イオン照射により発生する2次電子を結像して像観察を行う装置。ナノスケールでの切削と造形が可能。

▼ 有機材料
炭素を主要元素とし、酸素、水素、窒素原子などで構成される物質の総称。タンパク質などの天然物から、石油化学製品まで幅広い物質を指す。液晶などの情報材料、有機半導体などの電子材料、人工臓器などの医療用材料など、現代のハイテクを具現化するための重要な材料となっている。

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