|
GE-PONに実装した技術は、決して一朝一夕に実現できるものではありません。LAN時代から技術を積み重ね、それぞれの技術の特性をうまく次世代技術へと引き継いでいった結果です。GE-PONを選択し、いち早く標準化への参画を行ったことも、通信事業で実績を重ねる中で得た、時代を読み取る力のたまものと言えるでしょう。また、GE-PONのLSIを社外調達していることは前述しましたが、実は、開発当初はLSIまでも垂直統合を目指して自社開発していました。その頃はLSIベンダも開発途上で、使おうにも物がなかったですからね。原理試作的なものを開発した後、切り替えたのですが、この過程で得たGE-PONに対する深い理解がなければ、補助LSIの開発は難しかったと思います。
住友電工は、「前向きな失敗」に対して寛容な社風があります。時代の変化や顧客ニーズの一歩先を感じ取り、自分の研究テーマを活かせる技術には積極的にチャレンジさせてくれるのです。そして、たとえそれが商品化にまでいたらなくても、きちんと評価してくれるのです。GE-PONの独自LSI開発はその例と言えるでしょう。「失敗」か「アプローチ」かは見方が分かれるかもしれませんが。それはさておき、マネジメントする立場にいる人間として、この社風は若手へと伝えていきたいですね。
長い歴史の中で、その時代ごとのエポックメイキングな技術を生み出してきたことも現在の技術力の源泉になっています。例えば、弊社は日本で始めてワークステーションを開発した会社でもあるんです。この技術に憧れて、当時、たくさんの若手技術者が入社しました。彼らは時代を経て、さまざまな技術分野で活躍しています。通信事業でも、そんな人が数多くいるんですよ。ある意味で、GE-PONの成功は、ワークステーションの成功に端を発していたと言えるのです。
GE-PONも、現代の通信を支える画期的な技術です。この技術に興味を持って住友電工に入社した人が、将来、新たな技術を確立するー。そんな、「技術のスパイラル」を実践していけるのは、この会社ならではの強みだと思います。
|