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携帯電話やノートパソコンなどのモバイル製品において、軽さは製品価値を左右する要素の1つです。また、重量が燃費に影響をおよぼす自動車は、地球環境の観点からも軽量化への取り組みは欠かせません。そこで期待を集めるのが、実用金属の中では最も軽いマグネシウムです。ただしマグネシウムには、腐食しやすいという短所もあります。
この課題を解決するために用いられてきたのが、アルミニウムを9%、亜鉛を1%添加したAZ91合金です。しかしAZ91合金は製造過程で組織が粗くなるという性質を持つため、圧延プロセスをともなう板材への加工は困難とされてきました。その結果、AZ91合金は鋳造材が利用されるにとどまっていました。このためユーザーである製品メーカーは、使い勝手の悪さに悩まされていました。あるいは、耐食性には劣るものの加工性に優れる、材料の添加比率を変えたAZ31合金板材を利用せざるを得ませんでした。
今回開発したAZ91合金板材とは、その名の通り、板材として開発、製造されたAZ91合金です。鋳造材に比べて強度は1.5倍以上となる340MPa、伸びは数倍となる10%以上を達成しました。プレス加工性はAZ31合金板材と同等を実現しています。AZ91合金の特性である耐食性は備えたままでこれらの長所を実現したAZ91合金板材は、まさにユーザーが切望していた金属。「軽く」が命題のモバイル筺体や自動車において、従来素材に取って替わることが期待されています。また、素材が均質緻密で表面が平滑という特性も持つため、デザイン性の高い塗装や表面加工が可能です。これは、AZ91合金板材が外装材としても利用範囲を広げていけることを示しています。
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