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プレスリリース

日本初 高強度アルミ導体溶接用ケーブルを開発、販売開始

製品・技術情報

2016年10月14日
住友電気工業株式会社

当社は、高強度アルミ導体を使用し、銅を用いた従来製品より50%以上の軽量化を実現した溶接用ケーブルを日本で初めて開発しました。本年9月より販売を開始しています。

高強度アルミ導体溶接用ケーブル

高強度アルミ導体溶接用ケーブル

溶接用ケーブルはアーク溶接機*に使用されており、船舶、橋梁をはじめとした大型の構造物を製造する工場においては、作業者が溶接作業場所にアーク溶接機及び溶接用ケーブルを運搬後、溶接作業を行うことが繰り返されます。従来、導体が銅である溶接用ケーブルは、公称導体サイズ60mm²の場合、長さが30m、質量が約22kgあり、繰り返し運搬する作業者にとっては大きな負担となり、軽量化が切望されていました。

軽量化の手段として、ケーブル質量の大半を占める導体を銅からアルミに置換することが考えらえますが、一般的な工業用純アルミは導電率が高いものの、溶接作業時にケーブルを取りまわす中で引張強度不足が懸念されました。

こうした中、当社独自で開発した、導電率と引張強度とを両立させた高強度アルミ導体を用い、日本で初めて高強度アルミ導体溶接用ケーブルを開発しました。また、独自配合技術による耐熱性に優れた環境配慮型被覆材の適用によって、銅を用いた従来製品と同一サイズを可能にしました。1年にわたる造船会社での実用化評価を経て、本年9月より販売を開始しています。溶接用ケーブルの軽量化により、溶接作業者への負担軽減、溶接作業全般の作業効率向上が期待されます。

今後、造船業界のみならず、溶接用ケーブルを使用するユーザーへの拡販を進めていきます。

溶接用ケーブルの質量比較

公称サイズ[mm²] 従来品(銅)[kg/km] 当社開発品(高強度アルミ)[kg/km]
38 495 230(▲54%)
50 625 280(▲55%)
60 750 335(▲55%)
80 990 430(▲57%)
100 1230 525(▲57%)

* アーク溶接機
アークとは、2つの電極間の放電(アーク放電)で発生するプラズマの一種であり、アーク溶接機はこのアークを利用し母材と電極の間に発生する高熱で同じ金属同士をつなぎ合わせる装置です。

以上

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