ホーム > 企業情報 > SEI WORLD > 2015年03月号(Vol.450) > 特集

特集 2015年03月号(Vol.450)

事業所・工場向け 新エネルギー・マネジメント・システム sEMSA®

sEMSA®ってなに?

sEMSA®とは当社が開発した、再生可能エネルギーを含む多様な分散電源を使って需要家にとって最適となるように電力を運用できるエネルギー・マネジメント・システムのことです。発電設備と蓄電設備の機能を最適に管理・制御することで、電力コストの低減や省エネ効果を発揮することができます。

たとえば、電力消費が少なく低コストの夜間電力を貯めておき、電力が逼迫してコストも高い昼間にそれを利用して電力消費の平準化(ピークカット)や、電力コストの低減を図ることができます。また、電力消費を含む各種情報をリアルタイムで見える化し、事業所・工場の操業改善にも活用できます。さらに、電力会社の予備電力確保や負荷平準の手段であるデマンドレスポンスにも自動で対応することが可能です。

近年、省エネルギーに対する社会的要請とともに、工場や企業などの大規模需要家において、再生可能エネルギーなどを使用した分散型の電力システムの活用がますます高まっています。

環境負荷軽減やコスト最小化のためのエネルギーの高効率運用が可能なsEMSA®は、こうした大規模電力システムにおいてより効率的なエネルギー運用を行うための重要な役割を果たします。

sEMSA®でどんなことができるの?

sEMSA®は、有線および無線のハイブリッドネットワークを介して、発電量、蓄電量および消費量を収集し、最適な需給バランスが得られるように電力の流れを管理します。消費者の利便性を損なわずに経済メリットを得られるように発電・蓄電設備および負荷機器の制御を行います。計測データは中央制御サーバで一括管理され、発電・蓄電・消費のリアルタイムの状況や、過去の発電や消費データのトレンドをディスプレイで確認することができます。

sEMSA®の特長

①幅広い顧客ニーズに対応可能な、新しい独自方式を開発

当社はエネルギーマネジメントにおける機能を階層化し、右図に示すアーキテクチャに沿って開発を進めています。層内における各機能はモジュール(※1)化されており、sEMSA®は必要なモジュールを組み合わせて構成することが可能です。これにより、大規模需要家から家庭まで多様な顧客ニーズや分散電源に対して短納期・低コストに対応することができます。

現在、当社横浜製作所にて複数台の分散電源とsEMSA®を使っており、デマンドレスポンスに対応して地域の電力需給調整に役立てています。

②デマンドレスポンス(DR)にも瞬時に対応

複数の分散電源の運用を最適化する手法として数理計画法(※2)が一般に知られています。この数理計画法において、当社は電力を最適に運用する計画を短周期で立案し、それと並行してリアルタイムで計画との誤差を吸収するフィードバック制御を行う高速計算アルゴリズムを新規に開発し、電力コストの予測誤差を縮め、かつリアルタイムレベルでの運用を実現しました。電力会社の予備電力確保や負荷平準の手段として、DRへの関心が高まる中、sEMSA®はDR発令を受けて瞬時に対応することも可能です。

③電力消費の最適運用と契約電力の遵守を両立

sEMSA®は、短周期で再計算する電力最適運用計画を参照しながら、急な電力需要の変動に対するフィードバック制御をかけますので、電力最適運用と契約電力の遵守を理想的に両立させます。

④投資回収条件などの各種シミュレーションもサポート

分散電源導入前の事業所にあっては、投資回収最良条件での分散電源設備仕様をご提案し、同設備導入後にはその条件にそった電力運用をsEMSA®が実現します。

※1
モジュール:システムの全体機能を複数の機能に分割して開発するための個々の単位を指します。入出力のインターフェースをあらかじめ定めておくことで、モジュールの交換により機能の変更や拡張が可能です。
※2
数理計画法:与えられた制限の下で、ある量を最大あるいは最小にするような条件を求める数学的手法です。

ページの先頭へ