高度な排水処理で、人々の水環境を守る
〜難分解性のPVAを処理する膜分離排水処理装置を開発〜

現在、水質汚染の問題は国際的な課題となっています。国連によるSDGs(持続可能な開発目標)でも水質の問題が取り上げられ、2030年までに未処理排水の半減が目標として設定されました。とくに経済の発展が著しい新興国では工業化や人口の都市集中が進み、工場排水や家庭排水による河川の汚染が人の健康や生態系に影響を与えています。

住友電工が2003年から製造している、産業排水や下水処理等の、ろ過膜ポアフロン®※モジュールは、優れた耐薬品性、高強度、高い透水率、そして耐熱性の特長があり、国内はもとより、アジア、北米の産業排水分野で数多くの納入実績を積み重ねてきました。このポアフロン®モジュールをキーパーツに膜浸漬槽、ポンプ、散気ブロア、制御盤等からなるシステムを構築した膜分離排水処理装置が高級デニム素材の大手メーカーであるカイハラ(株)の吉舎工場と新設されたタイ工場の排水処理装置に採用され、すでに稼働を始めています。

カイハラ(株)と(株)伸友(産業機械・化学薬品商社)のご協力のもと、難分解性で膜を汚しやすいPVA(合成樹脂の一種)を含む排水で実証実験を約1年半行い、性能が評価されたことにより採用となりました。稼働後は、排水の量、濃度、天候等の変化に左右されず安定した性能を発揮し、エネルギーコストや設置面積においても大幅な改善となっています。今後もポアフロン®の強みを活かし、人々の水環境の保全に貢献していきます。

※ポアフロン®:住友電工が製造する100%PTFE(四フッ化エチレン樹脂)を使用した多孔質材料。

吉舎工場の排水処理装置
吉舎工場の排水処理装置
タイ工場の排水処理装置
タイ工場の排水処理装置
ポアフロン®膜分離排水処理装置