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ご挨拶

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株主の皆様へ:平素は格別のご支援を賜わり、ありがたく厚く御礼申し上げます。当社グループの当上半期の業績につきまして概況をご報告いたします。

 

当期の業績

 当期の日本経済は、輸出や設備投資の増加により、上半期はプラス成長となったものの、下半期は個人消費の減速と円高の進行によって景気は弱含む展開となり、更にこの年度末には、未曾有の規模の震災という国難にも直面しております。一方、世界経済は、新興国の成長に牽引されて回復基調となりましたが、下半期からは資源価格の高騰や新興国におけるインフレの懸念に加え、地域紛争の激化や欧州の財政危機の拡大など新たな不安材料を抱える状況となりました。

 

 当社グループを取り巻く事業環境につきましても、自動車関連を中心にグローバルな需要の回復・拡大が継続しましたが、国内需要の低迷と年央からの急速な円高により、内需及び輸出関連は一段と厳しさを増す状況となりました。また、本年3月には、東日本大震災が発生し、当社グループの拠点も生産設備の一部に損傷を被りましたが、同震災の影響はこうした直接的損失にとどまらず、顧客・仕入先の操業停止による受注・生産の停滞など間接的損失にも及び、更に今後東北・関東では電力エネルギーの使用量制限が予想されるなど生産・社会インフラへも重大な影響を与える事態となりました。

 

 このような状況のもと、当社グループは、グローバルな需要の捕捉に向け、営業力の一層の強化を図るとともに、徹底したコスト低減や新技術・新製品の開発・拡販に注力してまいりました。東日本大震災によって被災した拠点につきましては、迅速に生産ラインを復旧し稼働を再開いたしましたが、こうした復旧対応に加えて、今後のサプライチェーンの強化に向けた資材調達のマルチソース化や、電力などエネルギー供給が制限された場合に備えた生産ラインの再構築を進めております。

 

 この結果、当期の連結決算は、売上高は2,033,827百万円(前期1,836,352百万円、10.8%増)、営業利益は103,810百万円(前期51,728百万円、100.7%増)、経常利益は129,099百万円(前期68,206百万円、89.3%増)となりました。当期純利益は、東日本大震災に関連して計上した災害損失8,845百万円や減損損失11,336百万円等を含めて70,614百万円(前期28,708百万円、146.0%増)と前期比で増収増益となりました。

 

 期末配当金につきましては、当期の業績等を勘案し、前期期末配当金に比べ1株につき1円増額して10円とさせていただきました。これにより、中間配当金(9円)を含めました当期の配当金は、前期に比べ3円増の1株につき年19円となります。

対処すべき課題

 今後の経済情勢は、世界経済については、資源価格の高騰や新興国を中心としたインフレの深刻化が懸念され、中東・アフリカ情勢や欧州の財政問題の進展によっては新たなリスクの顕在化も危惧されております。日本経済についても、震災により甚大な損傷を被ったエネルギー供給インフラや企業の生産活動の復旧の見通しは依然不透明な部分が多く、これによる国内生産の一段の空洞化や個人消費の低迷も懸念される状況となっております。

 

 このような情勢のもと、当社グループは、いかなる環境変化にも耐えうる強靭な企業体質の構築を目標に、安全・環境対策をはじめ、品質向上、原価低減活動、新製品の開発・拡販に取り組んでまいります。伸長する新興国需要の捕捉と、環境・エネルギーなど成長分野における早期事業立ち上げを重点的に推進し、中期経営計画「12Vision」の2012年度目標である、売上高3兆円、営業利益2,100億円、ROE10%の達成に向け、グループ一丸となって邁進いたします。また、各事業においては次のような施策を進めてまいります。

 

 まず、自動車関連事業ですが、ワイヤーハーネスについては、新興国市場の拡大や自動車の小型・低価格化など、市場の変化を踏まえた製品展開を進め、世界需要の確実な捕捉を図るとともに、グローバルな生産体制の構築と一層のコスト低減を推進いたします。また、軽量化により燃費向上に寄与するアルミハーネスや光ハーネスなど、環境に対応した新製品の開発・拡販を一層推進し、2012年度のグローバルシェア25%を実現してまいります。防振ゴムについても、小型・軽量化のニーズに応じた製品の開発・拡販や、一層の原価低減に取り組んでまいります。

 

 情報通信関連事業では、光ファイバケーブルについては、昨年、中国において母材からケーブルまでの一貫生産体制を整備しましたが、今後、新興国を含めたシェアの向上と一層のコスト低減を図ってまいります。光機器では、海外におけるFTTHやデータセンターの需要の増加を捕捉し、ネットワーク機器では10GE-PONなどの新製品の開発を進めます。また光・電子デバイスでは、LTE(次世代携帯通信サービス)用のデバイスや40G及び100G長距離伝送用のデバイスなど、新製品の開発・拡販に注力いたします。

 

 エレクトロニクス関連事業では、デジタル家電、スマートフォン、自動車用途のグローバル需要を確実に捕捉し、電子ワイヤー、FPC(フレキシブルプリント回路)、化合物半導体、ファインポリマー製品の拡販に注力してまいります。また、新興国における製造体制の整備を進め、生産最適化とコスト競争力の一層の強化を推進いたします。併せて、水処理用精密ろ過膜モジュールや純緑色半導体レーザなど、今後の成長が期待される分野にも資源を投入し、製品の開発・拡販に努める所存です。

 

 電線・機材・エネルギー関連事業では、エネルギー効率の向上に向け、当社グループの持つ幅広い技術を結集した製品展開を進めてまいります。具体的には、低ロスの送電線や超電導ケーブル、太陽光発電用パワーコンディショナ(直流電力を交流電力に変換する機器)など、関連製品の開発・拡販を図ります。また、鉄道インフラ需要の増加に対応し、トロリー線や車両用空気ばねの拡販を進めるとともに、自動車分野においても、環境対応車向けの耐傷性巻線など、積極的な製品展開を推進してまいります。

 

 産業素材関連事業では、特殊金属線については、本年、タイ、中国において、韓国・㈱暁星とのスチールコードの合弁事業を開始する予定であるほか、超硬工具、焼結部品についても、中国での製造能力を拡充し、新興国の需要を捕捉してまいります。また、本年4月にタングステンのリサイクルプラントを稼働するなど、資源確保にも注力してまいります。㈱アライドマテリアルにおいても、LED用サファイアや太陽電池用シリコンの加工に欠かせないPWS(プレシジョン・ワイヤ・ソー)や、情報通信、電力制御用ヒートシンクなど、新製品の開発・拡販を加速いたします。

 

 研究開発においては、2012年度までに新製品売上高比率を30%に高めることを目標として、研究成果の事業化を加速するとともに、これまで蓄積したコア技術の新事業への展開やグループを横断した研究開発の推進など、戦略的な取り組みを加速してまいります。具体的には、高エネルギー密度と小型軽量化を実現する新型の溶融塩電解液電池をはじめ、今後、大きな市場拡大が見込まれるスマートグリッド(次世代電力網)システムやパワーデバイス、食品の安全や医療分野への応用が期待される近赤外光による組成イメージングシステム、データ通信量の増大に対応する超高速光伝送技術など、オリジナリティ溢れる研究開発を推進し早期事業化を図ってまいります。

 

 当社は、昨年5月に東日本電信電話㈱等向け光ファイバケーブル関連製品の販売に関し公正取引委員会から排除措置命令及び課徴金納付命令を受け、また、自動車用ワイヤーハーネス関連製品の取引に関し、昨年2月に公正取引委員会の立入検査が実施され、EU及び米国を含む海外の競争当局の調査を受けております。当社は、これらの事態を厳粛かつ深刻に受け止め、競争法コンプライアンスを最重要の課題と位置付けて、既に「競争法コンプライアンス規程」を制定し、コーポレートスタッフ部門の専任組織と各本部の推進組織等が連携して同規程を運用する体制を構築するなどの施策により、公正な企業活動の実践に真摯に取り組んでまいります。

 

 当社グループは、ステークホルダーの皆様と良好な関係を築きながら、持続的に成長していくことが企業の社会的責任(CSR)であると考えております。当期は、当社事業所近隣地域の皆様及び環境経営に関する有識者の皆様とステークホルダー・ダイアログを実施いたしましたが、今後も、こうしたCSR活動を一層強化してまいります。

 

 このように、企業としての社会的責任を果たし、広く社会から信頼される「グロリアス エクセレント カンパニー」の実現に向け、グループ一丸となって邁進してまいります。

 

 株主の皆様におかれましては、今後とも一層のご理解とご支援を賜わりますようお願い申し上げます。

平成23年6月

社長 松本 正義
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