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プレスリリース 2010年

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近赤外光を用いた組成イメージングシステム「Compovision」の本格販売を開始

2010年8月3日
住友電気工業株式会社

 住友電気工業株式会社は、近赤外光(*1)を用いて薬品や食品の組成の違い、組成の濃度分布をリアルタイムに画像化する組成イメージングシステム「Compovision(コンポビジョン)」の販売を、本年8月より本格的に開始します。

 近年、製薬業界や食品業界では安全性や品質管理の重要性がますます増しており、非破壊・非侵襲でリアルタイムに組成の違いや組成の濃度分布を測定可能な検査システムへのニーズが高まっています。

 このほど当社が本格的に販売を開始する組成イメージングシステム「Compovision」は、これまで当社が光通信事業において培ってきた高度な光関連技術(材料、デバイス)を応用し、光通信と同じ波長帯域である近赤外光を用いることで、これまでは判別できなかった組成の違いや組成の濃度分布をリアルタイムで画像化する検査システムで、近赤外光カメラと高速判定ソフトを用いた検出装置で構成されます。

 本システムの特長は次の通りです。

(1)

非破壊・非侵襲での測定が可能

 組成の違いや組成の濃度分布を分析する手法としては、赤外分光法(*2)などによるスペクトル分析が一般的ですが、赤外分光法は非破壊での測定が難しいという課題があり、近赤外光による組成分析法が注目されています。近赤外光帯域には、水、脂質、タンパク質などの有機物の吸光スペクトルがあるため、生体や食品の組成分析が可能です。更に、近赤外光は生体や有機物を透過しやすいため、非破壊・非侵襲(前処理不要)での測定が可能となります。

 

(2)

リアルタイムに画像化

 独自の高速スペクトル解析アルゴリズムを開発したことにより、近赤外光カメラで収集した全ての画素のデータにおいて、リアルタイムで近赤外光スペクトル解析による組成判定を行い、組成の違いや組成の濃度分布を画像化することが可能となりました。

 

(3)

広帯域波長測定

 量子井戸構造(*3)から成る近赤外光カメラ用センサ材料を新たに開発し、1000~2350nmの幅広い波長領域での測定を可能としました。これにより、従来のシステムでは分からなかった詳細な成分の違いを高感度で検出することが可能になりました。

 

 

 当社は、このような特長を持つCompovisionが、今後、以下の用途などで使われていくものと想定しています。

 

(1)蛋白質変性(微生物汚染)

(例) 普通の牛乳と微生物により変質した牛乳の判別

(2)蛋白質変性(熱変性)

(例) 加熱時間ごとの卵の蛋白質の熱凝固を殻の外から判別

(3)脂肪酸検査

(例) 複数の食用油脂を含有脂肪酸や脂肪酸濃度で判別

(4)水分検査

(例) 加熱によるチーズの水分量変化の測定

(5)毛髪判定

(例) 白・黒・染色した髪の検出

(6)錠剤成分判別

(例) PTPシート越しの錠剤の成分差の画像化

 

 なお、本システムは、9月1日(水)~3日(金)の3日間、幕張メッセにて開催される「分析展2010」の株式会社エスティジャパンのブースにて展示します。また、10月13日(水)~15日(金)の3日間、東京ビッグサイトにて開催される「食品開発展」の住友商事マシネックス株式会社のブースにおいても展示します。

 

 今後当社は、本システムの新規用途の開拓を更に進めていく予定です。また、当社が持つ高度な光関連技術を活用し、ライフサイエンス分野への更なる展開を図っていきます。

 

以上

【用語説明】

*1

近赤外光

波長720~2500nmの光。赤外光(波長0.72μm~1000μm)は、波長が短いほうから順番に近赤外光、中赤外光、遠赤外光に分類される。

*2

赤外分光法(FT-IR)

赤外光を照射し、透過光あるいは反射光を分光することでスペクトルを得て対象物の特性を知る方法。水の吸光率が高く、水分を含んだ試料の測定が難しい(他の吸収スペクトルが隠れてしまう)。また、水分以外でも吸光度が高すぎる成分を含む場合が多く、適切な結果を得るために測定サンプルに加工を施す必要(スライスする、液体であれば希釈するなど)があり、非破壊での測定が困難。さらに、特殊な検出器を必要とし、通常は一点計測となるため、画像化する場合はスキャンが必要(リアルタイムでの測定が困難)。

*3

量子井戸構造

ナノメーターオーダーの厚さを持つ異なる種類の半導体が交互に積層した構造の総称。1ナノメーターは10億分の1メーター。

 

【補足資料】

■Compovisionのラインナップ

顕微鏡タイプ   インラインタイプ

 

■Compovisionの主な仕様

項目
仕様
システム全体
構成
NIRカメラ、SC光源、制御部
分解能
0.02mm~5mm
視野幅
分解能×300(最大300mm)
ラインスピード
分解能×100mm/sec
FPAダイナミックレンジ
14ビット
NIRカメラ
NIRカメラ
波長
1000~2350nm
画素数
320×256
サイズ
192×155×135mm(突起物除く)
SC光源
SC光源
波長
1200~2400nm
波長分解能
5~13nm
サイズ
320×300×120mm(突起物除く)

■Compovisionで検出可能な応用用途例

 

・Compovisionは、住友電気工業株式会社の商標です。

 

<製品に関するお問い合わせ先>

住友電気工業株式会社
ネットワーク営業本部 光・エレクトロニクス営業部
TEL: 03-6722-3283

 

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