住友電工ホームへサイトマップお問い合わせ
製品情報会社案内プレスリリース株主・投資家情報研究開発CSR活動

プレスリリース 2013年

Home > プレスリリース > 2013年 > 5月22日

さらなる薄型化と回路の高精細化を実現した導電性ペースト接続FPCの量産について

~電子機器の配線設計の自由度や省スペース性を大幅に向上~

2013年5月22日
住友電気工業株式会社

当社は、独自の金属ナノ粒子技術を生かした導電性ペーストを、回路の層間接続に適用したFPC(以下、「導電性ペースト接続FPC」)を開発し、本年4月から住友電工プリントサーキット(株)水口事業所の量産ラインを本格稼働させ、このほど両面板FPCの出荷を開始しました。

「導電性ペースト接続FPC」は、従来の電気めっき接続FPCと比べ、最大約30%の薄型化を実現し、それに伴い柔軟性も大幅に向上します。また、高精細な回路形成による配線の高密度化が可能となり、モバイル端末をはじめ、幅広い電子機器内配線の設計自由度の向上や省スペース化を実現し、今後も進化する電子機器のデザイン性や操作性の向上、高機能化に貢献できるものと期待しています。

今後も、当社はこのような独自の金属ナノ粒子技術およびその応用技術を発展させ、さらなる材料開発、新製品開発を展開していく計画です。

【FPC(フレキシブルプリント回路)について】

図1.FPCの断面構造FPCは、絶縁フィルム上に銅箔で電気回路(導体層)を形成した柔軟性を有する配線材料で、薄くて軽く、また耐熱性にも優れ部品実装が可能等の特長があり、片面板(回路一層)、両面板(絶縁フィルムを挟んで回路二層)、多層板(同、三層以上)があります(図1)。現在、スマートフォンやタブレット端末、ハードディスクドライブ、DVD機器、家庭用ゲーム機など、幅広い電子機器に用いられています。

 

【導電性ペーストによる接続技術について】

Thunderbolt光ケーブル従来、両面板や多層板の上下の回路接続は、①絶縁フィルムに穴をあけ、②二種類の銅めっきを実施し、③回路を形成する、というプロセス(以下、パネルめっき法、図2(1))が一般的でした。しかし、パネルめっき法では、めっき銅の厚みにより、回路の高精細化には限界がありました。

一方、導電性ペーストによる接続(以下、ペーストビア法、図2(2))は、①回路を形成し、②絶縁フィルムに穴をあけ、③導電性ペーストを穴に充填するというプロセスからなります。導電性ペーストに当社独自の金属ナノ粒子を採用し、ビアホールに高精度かつ均一に印刷・充填・固着させる技術を開発することにより、高い接続信頼性と品質安定性を実現することが可能になりました(特許出願済み)。本ペーストビア法では、めっき銅の余分な厚みが無いため、FPCを従来比で最大約30%薄型化でき柔軟性が大きく向上するとともに、より高精細な回路形成が可能になります。製造工程も、パネルめっき法と比べてシンプルになり、また不良の原因となりやすい、めっき工程を経ないため、高品質で信頼性の高いFPCを提供できます。

今後は、量産ラインの海外展開を図るとともに、モバイル端末用液晶パネルやタッチパネル用途をはじめ、幅広い分野への拡販に取り組んでいきます。

以上

【今回開発した導電性ペースト接続FPC】

 

【住友電工プリントサーキット(株)の概要】
事業内容 エレクトロニクス製品に使用されるFPCの開発、製造
本社所在地 滋賀県甲賀市水口町ひのきが丘30番地
代表者 代表取締役社長 西川 潤一郎
設立 2000年4月
資本金 15億円 (当社100%出資)
ページトップへ
(C) 2014 Sumitomo Electric Industries, Ltd.
サイトのご利用にあたって個人情報保護方針