住友電工ホームへサイトマップお問い合わせ
製品情報会社案内プレスリリース株主・投資家情報研究開発CSR活動

広報誌 SEI WORLD 2009年

Home > 会社案内 > 広報誌 SEI WORLD > 2009年 > 06月号 > 特集

SEI WORLD 2009年06月号(vol. 381)

住友電工の超電導技術「超電導って何?」

20世紀の夢の技術と言われた超電導技術が、21世紀に花を開こうとしています。

超電導ケーブル

「超電導」とは?

一般的に電気抵抗がゼロの状態を「超電導」と言い、超電導になる物質を「超電導体」と呼んでいます。超電導を引き起こすには、超電導体をある一定の温度まで下げなければなりません。その温度(臨界温度)は超電導体によって異なりますが、当社の超電導製品は現在、「高温超電導体」と呼ばれる物質を使用しており、液体窒素の沸点である-196℃(77K)で超電導状態になります。“高温”とは言うものの、私たちの生活からは想像もつかない-200℃にも近い温度です。ではなぜ“高温”と呼ばれるのでしょうか?それは超電導の歴史に隠されています。

超電導の歴史

1911年、オランダの物理学者が、ある種の金属を冷やしていったときに、ある温度で電気抵抗がほぼゼロの状態になることを発見しました(超電導の発見)。この時発見された超電導現象は臨界温度が-269℃(4K)と大変低い温度でした。しかし1986年、ドイツとスイスの物理学者によってより高い温度で超電導になる物質が発見され、その臨界温度の高さから、一般に“高温”超電導体と呼ばれるようになり、逆に初期に発見されたような低い温度で超電導になる物質を“低温”超電導体と呼ぶようになりました。

超電導の活躍フィールド『超電導技術の応用分野』

リニアモーターカー、電力ケーブル、電気自動車、船舶モーター、医療

住友電工の超電導技術開発

1960年代初頭、低温超電導体の研究から当社の超電導技術開発はスタートしました。そして1988年、高温超電導体が発見された直後からその研究を開始し、現在ではビスマス系超電導体(臨界温度マイナス163度/110K)と希土類系超電導体(臨界温度マイナス183度/90K)の2種類を実用化の有力候補と考え研究開発を続けています。開発当初は社内の技術を総動員して始めた超電導技術開発ですが、今ではビスマス系を軸に事業化目前のところまできています。

 

住友電工の高温超電導線材「DI-BSCCO」の特長

2004年、当社は新しい超電導線材加工法を採用したことで、ビスマス系超電導線材「DI-BSCCO」の量産化に成功しました。量産化の実現により実用化が一段と近づいたとして、その可能性が今注目を集めています。

 

特長1

高温超電導体のため、安価な液体窒素(約50円/リットル)を冷媒として使用することができます。(これまで主流であった低温超電導体は冷媒として液体ヘリウム(約1,500円/リットル)が使用されてきました。)

特長2

同面積あたり、銅線の約200倍の電流を流すことができます。(下図参照)

断面図比較(同じ電流を流すのに必要な面積)

 

ビスマス系超電導線材「DI-BSCCO」を使用した住友電工の注目製品『超電導ケーブル』

POINT1:ECO

発電所で作られた電気は、電線を通って工場や家庭へと届けられますが、その間に約5%もの電気が失われています。これは主に抵抗によるものです。
しかし、超電導線を用いた超電導ケーブルは抵抗がゼロ。超電導ケーブルを活用すれば電気をより効率的に運ぶことができ、環境にやさしい製品と言えます。

POINT2:省スペースで経済的

超電導ケーブルと従来ケーブルの比較

超電導線は同面積の銅線に比べ、約200倍の電力を流すことができますので、ケーブルのコンパクト化が可能です。布設する際のスペースも小さく、大がかりな工事が不要となるため、工事コストの削減にもつながり経済的です。

実用化に向けて

インフラの構築にあたっては、やはり信頼性が重要です。それを実証するため、当社は超電導ケーブルを使った試験を行っています。2006年7月~2008年4月にかけては米・NY州のAlbany市において350mの超電導ケーブルを納入し、過酷環境下(夏:プラス40度~冬:マイナス20度)での信頼性、コンパクト化を実証しました。さらに、2011年からは日本でも東京電力(株)の旭変電所(横浜市)で実際の電力網に超電導ケーブルを接続し、2015年頃からの実採用を目指して実証試験を行う予定になっています。

 

ちょっと小話

超電導ケーブルが可能にする夢のような計画があります。それが「ジェネシス計画」(GENESIS計画:Global Energy Network Equipped with Solar cells and International Superconducting grids)です。
これは太陽光発電により得たエネルギーを、超電導ケーブル送電網を利用して世界中に運ぶという計画です。超電導ケーブルは抵抗損失なく電力を運ぶことができるので、世界中の砂漠のうちのわずか4%に敷き詰めた太陽電池から発生するエネルギーで世界中の消費電力をまかなえると言われています。温暖化防止にもつながる、壮大な計画です。

超電導WEBサイト http://www.sei.co.jp/super

・「DI-BSCCO」は住友電気工業株式会社の登録商標です。

06月号トップへ
ページトップへ

(C) 2011 Sumitomo Electric Industries, Ltd.
サイトのご利用にあたって個人情報保護方針