当社のビスマス系高温超電導線「DI-BSCCO(※1)」が、ドイツのZenergy Power plc(以下、Zenergy社)が開発した高温超電導誘導加熱装置に、長期にわたる実装評価を経て本格採用されました。
誘導加熱装置とは、内部のコイルに交流電流を流し、電磁誘導の原理による誘導加熱(※2)を用いて加熱する装置で、家庭の中でもIH調理器などが広く普及しています。産業分野でも、アルミ押出工場での押出用地金(ビレット)の加熱などに使用されていますが、大量のエネルギーを消費するなどの課題があり、よりエネルギー消費の少ない誘導加熱装置が求められていました。
「DI-BSCCO」は、臨界電流特性が高いため多くの電流を流すことができ、機械的強度も高いという特長があり、高温超電導誘導加熱装置は従来の交流誘導加熱装置と比べて約50%のエネルギー消費量節減、素早い加熱、より均一な温度分布・温度制御を可能にします。
Zenergy社が開発した高温超電導誘導加熱装置は、直流電源の高温超電導マグネットを装備した誘導加熱装置です。2008年7月に世界で初めて商業販売が開始され、既にドイツのアルミ押出工場で稼働しているほか、その他の国々にも販売されており、日本では極東貿易(株)が代理店となって販売しています。 |