当社は、（株）明電舎と共に「アルミセルメット（※1）」の特長を活かした電気二重層キャパシタ（※2）の共同研究に2011年から取り組んできました。

  このほど、従来の明電舎製積層型電気二重層キャパシタと比較し、体積エネルギー密度（※3）が約3.4倍で、かつ広い温度範囲での作動および高い出力密度（※4）を実現しました。

  今後は、体積エネルギー密度を約5倍まで高めることを目標に共同研究を継続します。また、HEV、EVの加速時の動力アシストや減速時の電力回生など自動車分野を主たる市場と位置づけ、2013年度のサンプル出荷、2015年度の製品化を目指します。

※1アルミセルメット：
アルミニウムの金属多孔体です。大きな気孔率という特長に加え、軽量で、高い導電性を有します。また、耐食性にも優れ、リチウムイオン二次電池など充放電電圧の高い二次電池や、キャパシタの集電体にも適用が可能です。
※2電気二重層キャパシタ：
二次電池やコンデンサ等、電気を貯める蓄電媒体の一つで、1対の活性炭電極（プラス、マイナス）と電解液とで構成されます。電極が劣化しにくく、長期にわたって使用できます。
※3体積エネルギー密度：
体積当たりどのくらいエネルギーを取り出せるかを表す単位。高いほど多くの電気を蓄えることができます。
※4出力密度：
質量当たりの電力出力量を表す単位。高いほど瞬時に出せる電力が大きくなります。

・「アルミセルメット」は、住友電気工業（株）の商標です。

エレクトロニクス・材料研究所