開発ストーリー

ポアフロン精密濾過膜モジュール

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01.半世紀にもおよぶ歴史を持つ独自素材「ポアフロン」

ポアフロンとは、PTFE(四弗化エチレン樹脂)を100%使った住友電工オリジナルの多孔質材料。開発の歴史は長く、1962年にはPTFE延伸加工技術で特許を取得している。特徴は次の4つだ。
まず、耐薬品性に優れていること。PVDF(二弗化エチレン樹脂)やPE(ポリエチレン)に比べて化学的安定性が高く、ほとんどすべての酸、アルカリ、溶剤に対しても侵されることはない。
第2に、強度が高いこと。これにより、長期間の使用が可能になる。
第3に、気孔率が高いこと。汎用プラスチックでは最高とされ、高い透水性という性能を生み出している。
そして最後に、耐熱性。膜ろ過で使用した場合、最高で200℃にも耐えることができる。
これらの特性から、ポアフロンは平膜製品に加工され、化学分析や試薬用途、半導体や液晶の製造工程における高純度薬液用途で用いられてきた。また、電線の被覆や人工血管など、特殊な用途で使われる高付加価値製品という側面も持っていた。

02.事業存続の危機。エンジニアの苦悩

1987年、すでに事業部へと移管されていたポアフロン研究チームに、1人の新入社員が加わる。大学院でプロセス工学を専攻し、後に水処理モジュールの事業化をけん引することになる森田徹だ。さらに2年後には、もう1人のコアメンバーとなる井田清志も入社。しかし2人は、それから10年以上にわたって歯ぎしりをする思いで日々を過ごすことになる。当時を振り返って森田は言う。
「ニッチ市場に対する高付加価値製品という戦略でポアフロンは事業を進めていましたが、会社全体からすると売上はごくわずかなもの。しかも事業部への移管以来、ずっと横ばい状態でした。多品種少量生産という効率の悪さもあり、事業が整理の対象になるといううわさも耳に届いていました」
学生時代から材料と向き合い、入社したのはその分野におけるトップクラスの会社である住友電工。
他の事業部では世界を相手に、技術力をベースに巨大なビジネスが行われている。いっぽうで自分は……。
「このまま終わるわけにはいかない。絶対にポアフロンで大きな花を咲かせてやる。ずっとそう思い続けていました」

03.水にこそポアフロンの未来がある!

森田も井田も、ポアフロンの性能には絶対の自信があった。ただ、これまでの自分達の事業の成長レベルでは、先行するライバル企業に大きく差をあけられており、現体制では、PTFE多孔質材料の既存用途では勝負ができない。ならば、ポアフロンの魅力が最大限に発揮できる新たな用途を探せばいい。
 そんな中、ある技術雑誌が森田の目に留まる。そこには、PEを使った膜モジュールによる水処理の報告がなされており、今後の課題として強度や耐薬品性が提起されていた。
「これだ!」森田の頭に閃光が走った。強度や耐薬品性はポアフロンの特性そのもの。水不足や水質汚染は当時から世界中でにわかに問題になっており、市場性も十分だ。コストダウンを推し進めれば、競争力も高められる。ポアフロンとメンバーたち、そして水処理という用途は、こうして出会った。

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