開発ストーリー

ポアフロン精密濾過膜モジュール

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08.苦楽をともにした製造現場

シンピョン下水処理場向け等の韓国下水処理プロジェクトをはじめ、ポアフロン水処理モジュールが事業としての地歩を固めていく過程で、重要な役割を果たしたのが製造現場だ。ポアフロン水処理モジュールは、住友電工ファインポリマーの中国における現地子会社である、中山住電新材料有限公司(ZSH)が担っている。製造スピードや歩留まりの向上によってコストダウンを図り、事業として成り立たせられるかはZSHに負う部分が大きい。森田をはじめとしたメンバーは製造効率向上に向けた施策を日本で立て、それをZSHに持ち込み、現地スタッフと協議を重ねながら改善を図っていった。
特に苦労したのが、事業の黎明期に特有の不安定な生産量への対応だ。韓国下水処理プロジェクトの以前から、モジュールの製造はZSHで行われていた。しかし、生産量は韓国下水処理プロジェクトに比べると1/10ほど。大型受注があったからといってにわかに人員増はできないし、できたとしても、人員のスキルが追い付かない。逆に、せっかく人員を増やして教育したとしても、受注が続かなければ、余剰人員となって経営を圧迫する。
「他製品の生産工場から人員を確保してもらい、作業の指導をする毎日でした。私たちも大変でしたが、工場経営としてはかなり難しかったと思います。ZSHの総経理には頭が上がりません」

09.豊富で多様な経営資源が、プロジェクトを後押し

シンピョン下水処理場向け案件以降、大宇E&Tからは継続して受注を獲得している。また、中国でも工場排水の処理用途で受注を拡大。事業はいよいよ、世界各地へと向けて動き始めた。森田は振り返って言う。
「ポアフロン水処理モジュールの今があるのは、住友電工の総合力があってこそだと感じています。製造を担ってくれた中国のZSHもそうですし、ブレイクスルーを手助けしてくれた電線事業部もそうです。海外に目を向ければ、世界中に住友電工グループの事業所があり、人がいてくれる。私たち開発チームの『ニーズを調査したい』『見込顧客に提案したい』という思いを受け、世界のどこでも、誰かが動いてくれます。これほど心強いものはありません」
納期や目標性能とのせめぎ合い続きだった日々には、営業メンバーが開発チームを支えてくれた。思うに任せない開発や製造の現場を理解し、顧客との調整に奔走してくれたのだ。誰もがそれぞれの持ち場でプロフェッショナルに徹し、互いを信頼し合って自らの持ち場で全力を尽くす。そんな関係が、事業をここまで成長させてきたと森田は言う。

10.新たなスタンダードの確立を目指して

メンバーが今、目指しているのは、ポアフロンによる水処理の新たなディファクトスタンダードの確立。これは、油を含んだ排水の処理に強いという、研究を進める中で発見したモジュールの特性による。油田随伴水処理や石化排水処理に強みを発揮する特性で、これらの分野では、従来は膜による処理などありえないとされてきた。しかし、ポアフロンなら可能だ。しかも強度などの優位性を持ち、コストダウンも進んでいる。これまでの処理技術にとって代わる可能性を、ポアフロンは秘めている。
また、上下水道の処理という市場でも、先行する競合と互角の存在を目指している。こちらは市場が巨大で世界中に広がる。後発ながら、他社にはないポアフロンという技術を武器に、確固たる地位を築いていく計画だ。
「事業は今、やっと本格的なスタートラインに立ったと言えます。いわば、プロジェクトのメンバーは1人ひとりがパイオニア。そして、私たちの武器は、私たち独自の技術です。この2つの要素は、エンジニアとして最高にチャレンジ精神をかきたててくれるものです。道は自分たちで作る――。その気概を持って、世界の水問題に解決策を提案していきます」

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