2007年07月24日 08:50 12 Visionについて<4> -研究開発、設備投資、CSR-


 今日は、このシリーズの最後に12 Visionにおける研究開発、設備投資、CSRについて記しておきたいと思います。


 多角化した当社グループ全体の成長を担保するためには、既存事業にとらわれない新製品開発も不可欠であり、常に10年、20年先を見据えた基礎研究にも注力しています。
 当社グループの新製品売上高比率は、2012年度に30%にすることを目標としたいと考えており、開発テーマとしては現在、社会の生活レベルの向上と共に拡大していくニーズを捉えて「環境・資源」、「ライフサイエンス」、「安心安全・ユビキタス」を3つの大きな柱として進めています。
 今後も、お客様のニーズを的確に捉えた研究開発を促進し、弊社グループの永続的な成長を図っていきたいと思っています。


 また12Visonにおいては先行投資として、設備投資、研究開発費をあわせ、今後5年間で1兆円の投資を予定しています。
 研究開発費は、今後5年間の総投資額4,000億円を予定していますが、既存事業の分野については、その競争力を維持・向上させる観点から材料の革新や、製品のモジュール化などが研究開発の重点領域となります。
 また、上で述べたように、既存事業にとらわれない将来の事業の柱となり得る製品開発にも引き続き注力する方針であり、新規事業領域への展開も積極的にサポートすることが必要です。
 設備投資は、今後5年間の総投資額6,000億円を予定していますが、基本的にはコア事業の重点分野への投資、グローバル・プレゼンスの向上をサポートする海外投資の積極化などが柱となっています。


 最後に、当社のCSR活動についてですが、当社は今年創業110年を迎え、“Glorious Excellent Company”として社会の一員としての責務を全うする観点から、「住友電工グループ社会貢献基本理念」を制定しました。
 本理念においては、「住友事業精神」また「住友電工グループ経営理念」に則った「よりよい社会環境づくり」、「人材の尊重」、「技術の重視」の3点をキーワードとしており、より詳細には「人材育成」、「地域密着での社会貢献」、「社員による社会貢献」の観点から、社会貢献活動については従来以上に積極化させていく所存であります。
 具体的には2007年度から2008年度にかけて、新たに「住友電工グループ奨学・学術振興基金」の設立、「障害者雇用特例子会社の設立」、「ボランティア休暇制度」等を住友電工グループとして新たに設立・導入する予定としている他、従来から実施している地域社会への貢献活動も継続的に強化していく予定です。
 住友電工グループは、その事業活動とともにCSRの観点からの責務をも果たし、幅広いステイクホルダーからのご支持のもと、株主価値の最大化を目指して、Glorious Excellent Companyに向けて着実に成長して参ります。

2007年07月17日 11:46 12 Visionについて<3> -セグメントの成長戦略-


 今日は、各事業セグメント別に成長戦略を説明していきましょう。


 まず自動車セグメントでは、主力のワイヤハーネスで「GLOBAL25」を目指します。すなわち、世界シェア25%の達成を目指すものであり、具体的には、好調な日系メーカーからの受注を確保していくとともに、非日系向けの世界シェアを少なくとも15%くらいには高めていきたいと考えています。
 また、高度化する自動車メーカーからの要求に積極的に応えていくとともに、グループ力を活用して、一層の高収益化を推進していきます。


 情報通信セグメントにおいては、FTTHの世界規模への拡大が期待される中、光ファイバ・ケーブルについてはさらなる価格競争力の強化を推進し、光デバイスについては超高速光モジュールの開発など、重点的に経営資源を投入することにより世界有数の光関連製品メーカーとしての確固たる地位を確かなものにしていきたいと考えています。
 また、NGN(次世代通信網)構築の進展が期待される中で急伸するブロードバンド機器市場についても、アクセス機器に加えサービス端末の拡充など、当社グループの総合力を活かした魅力ある機器の開発・拡販を進めます。


 エレクトロニクスセグメントにおいては、携帯、液晶、ストレージ関連等の成長分野向け製品の強化・拡販を推進していきます。
 また、コスト競争に打ち勝つ生産技術力向上とともに、製品納入までのリードタイムを短くする観点から、ベトナム拠点の新規立上げ、中国拠点の増強など、グローバルでの競争力強化を図っていきます。
 そして、環境対応や、バイオ関連といった新分野の製品についても、他社との協業やM&Aも視野にいれながら、早期の事業化を目指していきます。


 電線・機材・エネルギーセグメントにおいては、国内での電力関連投資は縮小する中で、厳しい事業環境が続いていますが、成熟から再び成長への展開を目指すべく、事業体制の更なる構造改革、コスト圧縮等による、収益性向上と安定収益化を目指していくとともに、海外、特に米国やアジア地域での伸長が期待できるエネルギーインフラ事業の再構築を積極的に推進していきます。
 また、超電導ケーブルなど、エネルギー・資源・環境分野を中心とした新規事業の開拓も積極的に進めます。


 そして産業素材セグメントについては、新材料開発、加工技術、原料リサイクル技術等を中心としたコア技術における更なる競争力向上と、多種多様な製品群がある中で、グローバルベスト3製品を目指した重点領域への資源集中投入を徹底していきます。
 また、原料確保と環境保全の観点から、リサイクル事業の推進にも取り組んで参ります。

2007年07月10日 13:13 12 Visionについて<2> -その数値目標-


 12 Visionについて<1> -その基本精神-に続いて、12 Visionの数値目標ですが、2012年度に連結売上高3兆円、営業利益7%(2100億円)、ROE10%を掲げることとしました。
 その中の一つ、営業利益については、金額もさることながら、経営上の重要課題である利益率の向上に向けて、他社にない技術・製品を武器に、2012年度に7%の営業利益水準の達成を目標のひとつとして掲げています。
 またROEは、8%台まで引き上げることが出来ましたが、こちらもまだまだ改善の余地があるものと認識しており、ステイクホルダーの期待に応えるべく、2012年度には、10%を目標に向上させていきたいと考えています。
 なお、2012年までは未だ6年と長期間であり不確定な要素も多いことから、その中間地点として2009年度目標、すなわち、連結売上高2兆5200億円、営業利益6%(1500億円)、ROE8%という目標を設定しました。グループ総力を挙げて、先ずはこの2009年目標の達成を目指して参ります。
 さて、その1で申し上げた通り、今回は新たな三つの方針を掲げているので、詳しく説明しますと、


1.「収益性を意識した成長型ポートフォリオの構築」
これは5つの事業全てをコア事業と考え、それぞれの業績を伸ばすことを基本的なスタンスとしていくということです。
 現状、自動車セグメントが営業利益総額の約半分を占めており、突出していますが、2012年度には情報通信セグメントやエレクトロニクスセグメントなどの貢献度を高めることによって、事業リスクは分散され、より安定した成長を実現できるようになるものと考えています。


2.「資本・財務戦略の徹底による企業体質の強化」
今後ますます拡大する海外市場でのプレゼンスを強化する上で、ビジネス・リスクに応じた財務体質の強化が必要になります。
 今後、事業から生み出されたキャッシュ・フローは、今まで以上に先行投資に向ける方針ですが、同時に、余剰キャッシュの一部は有利子負債の削減に充て、“Glorious Excellent Company”にふさわしい財務体質を実現したいと思っています。
 また、株主の皆様にも、今般の12 Visionの策定を機に、必要な先行投資や財務体質改善努力を見込んだ上で、余剰となるキャッシュについては積極的に還元していきたいと考えています。


3.「グローバル・グループ経営の最適化」
通常の事業運営の意思決定や運営は、自動車やエレクトロニクスといった事業本部単位で行っているケースが多いですが、12 Visionにおいては、SEIグループ全体での経営の最適化を視野に入れ、グループ全体での管理・運営を強化し、より強固な収益構造を築くことが経営課題と考えています。
 当面は、住友電工グループとして各事業を見直し、「人」、「物」、「金」、「知恵」、「ブランド」の観点から様々な施策を検討していきます。
 短期的な施策としては、子会社や拠点の再編、技術のグローバルでの共有化等を、また長期的な施策としては、グローバル経営を担う人材育成や企業CIの確立に力を入れ、ソフト面、ハード面の双方から企業体質の一層の強化を実現したいと思っています。

2007年07月03日 13:10 12 Visionについて<1> -その基本精神-


 松本です。
 5月17日に、マスコミとアナリスト・投資家の皆さんに対して、"Glorious Excellent Companyの実現に向けて"と題して、当社グループの新中期経営計画である12 Visionについて対外公表しました。
 この、中期経営計画の公表は初めての試みでありますが、幸い、比較的に好意的に迎えられたようであり、喜んでいます。
 アナリストの皆さんへの説明の模様は、こちらに掲載されていますので、可能であれば見て頂きたいと思います。
 当社グループの皆さんには、個々人が実行に向けて何を成すべきか、また、別の形で連絡していきますが、今回は発表した概要について何回かに分けて掲載することで、ブログのテーマとしたいと思います。


 住友電気工業株式会社は、「07ビジョン」という中期計画を明確にし、2007年度に連結売上高2兆円、営業利益1200億円、ROA8%の達成という目標を掲げ、これまで様々な方策に取り組んできました。
 この結果、売上高2兆円は2年前倒しで当初目標を達成、営業利益も1年前倒しで達成することが出来ました。また、資産効率の面からも、2006年度のROAは8.8%と、目標の8%を超えるに到りました。
 目標達成の背景には、情報通信セグメントの赤字からの回復や、自動車セグメントのマーケット・シェア拡大(ワイヤーハーネス20%超達成)、その他のセグメントにおいても、GaNに代表されるような差別化製品の開発・供給と絶え間ない事業体質の改善への努力が奏功し、成果を残したことがあげられます。
 すなわち、グループ一丸となって努力した結果が、07 Visionの当初目標の一年前倒しでの達成であり、必然的に次の目標が必要となって、更なる成長と高収益化に主眼を置いた12 Visionをこのほど策定し、発表したわけであります。


 では、この12 Vision、これまでの07 Visionとの違いは何か。
 それは、07 VisionがITバブル崩壊後の業績低迷時に策定され、事業の建て直しに主眼が置かれていたことに対し、収益力回復後の12 Visionでは「戦略性の強化」、つまり持続的成長を達成するために創意工夫を取り入れた施策の必要性に主眼を置いていることがポイントであります。


 具体的には 「収益性を意識した成長型ポートフォリオの構築」「資本・財務戦略の徹底による企業体質の強化」、そして「グローバル・グループ経営の強化」という三つの方針を12 Visionの経営課題として掲げています。


 従来から、住友400年の歴史を支えてきた「住友の事業精神」と、それに基づき制定した当社グループ経営理念を基盤に置きながら、「Global Presenceの向上」及び「Top Technologyの強化」という二つを基本指針とする成長戦略の下、GloriousでExcellentな企業グループの実現を目指すという基本戦略はそのままに、上記の方針を自らの課題の中に取り入れて欲しいと考えているのであります。

住友電気工業(株)社長 松本正義

1944年生まれ、兵庫県出身。
1967年住友電工入社。中部支社長、常務取締役、専務取締役を経て2004年6月社長就任。
趣味はジョギング、読書、絵画鑑賞など。中学時代は野球、高校では柔道、大学では陸上競技のやり投げ選手としてインターカレッジ出場経験もある。

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