2007年08月02日 11:49
東洋陶磁美術館「安宅コレクション」(2)
安宅コレクションと大阪市立東洋陶磁美術館についての続きです。
安宅コレクションの母体、安宅産業は日本の十代商社の一つに数えられながら、昭和52年に事実上倒産しました。1000点にも及んだ世界的に著名なコレクションの崩壊もやむ無しかと思われたときに、住友銀行を中心とする住友グループが救済の手を差し伸べ、大阪市に寄贈することで、この重要な文化遺産の散逸を防いだのです。
まさしく、住友の事業精神の一つ、「社会への報恩」の実践ということです。
コレクションの収集を一貫して推進・指導したのは安宅英一氏。
安宅産業の会長等を歴任した経営者であるとともに、その優れた審美眼によって、世界的にも東洋陶磁としては最高峰の一つのコレクションを作り上げました。

現在、東洋陶磁美術館では、開館25周年記念特別展として、「安宅英一の眼」を開催しています。
この眼が、どれほどすごいものであったかというのは、この比較的小規模な美術館の展示会で国宝2点「飛青磁 花生」「油滴天目 茶碗」が展示され、重要文化財12点、その他重要美術品等が数多く含まれていることでもわかるかと思います。
陶磁器の国宝を2点も持つ美術館は無かったと記憶しますが、その「飛青磁」の例えようもない深い緑色の地に絶妙に配置された鉄斑文の妙や、「油滴天目茶碗」の偶然の産物でありながらきらめく斑点の溜息の出るような美しい深い味わいは、是非実物を見て下さいというしかありません。
美術館の改修に伴い、この9月末までの特別展のあとは、東京→福岡→金沢と巡回するそうです。
あの「なんでも鑑定団」で高名な中島誠之助さんも絶賛する陶磁器の数々をまとめて見る千載一遇のチャンスです。
是非とも一度の展示品の前に立ち、いにしえの「美の求道者」安宅英一氏のコレクションの持つ迫力にふれて頂きたいと思います。
松本正義|
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コメント一覧 (3)
19月30日、ギリギリで行って参りました。東洋陶磁美術館にはちょくちょく足を運んでいましたので、今回の展示品の殆どとは、顔見知りです。私は中国の陶磁器より朝鮮半島の陶磁器の方が好きです。長年の使用で器の表面に染みやひびが入った陶磁器に温かみを感じますし、歪な器形にも関わらず、それを名品と大事にしてきた、日本人の美意識にもいつも頭が下がります。こういう陶磁器を見ていて想うのは、人も老化とともにシミや皺ができますが、そうなった時に、あの陶磁器が放つなんとも味のある魅力を人として身につけていたいなぁということです。
投稿者:ペンネーム 萬古屋 | 2007年10月01日 17:21
コメント有り難うございます。
「萬古屋」というペンネームから拝察するに、大変に陶磁器にお詳しい方とお見受け致します。
今回の、安宅コレクション展、安宅英一という希代の蒐集家の生涯をたどる意味でも大変に興味深いものでしたが、如何でしたでしょうか。
ご意見は、まさしくわたくしどもも感ずるところですが、それにしてもこういうものを歴史的文化遺産として散逸させずに残した先達の心も伝えていかねばと肝に銘じております。
投稿者:事務局 | 2007年10月03日 10:34
安宅英一氏のコレクションは、時代を通した秀品ばかりではなく、陶片も数多くあるそうです。
これは、後に研究をする人にとっては貴重な資料です。
それを思うと、一般的な個人のコレクションとは違う、厳しい確固たる精神を感じます。
このコレクションを住友さんが引き受けた後、当時の大島大阪市長が「大阪市に寄贈を・・・」と、熱心にというかしつこく住友さんに通われたというお話も伺っています。
ひとまとめで譲られた住友さんもコレクションのすばらしい価値を汲んでおられた。
東洋陶磁美術館はそういう篤い気持ちがつないだ、まさに宝石のようなスポットだと思っています。
ところで、わたし、陶磁器は好きですけれど、詳しくはありません。
投稿者:萬古屋 | 2007年10月04日 08:50