2007年10月19日 08:48
2000年の社報から<1>
松本です。
皆さん、特に当社グループ社員の皆さんにブログで伝えたいことはいくらでも頭に浮かんでくるのですが、時間の制約もあって、なかなか文章にすることが出来なくてもどかしいことも多いですね。なんとか最低週に1度は更新しようと思っています。
今回は、机の中から出てきた2000年7月号の住友電工の社報をそのまま、掲載してみましょう。わたしが常務取締役として送ったメッセージです。
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住友電工社報より
住友グループの一員であるトーキン(株)を訪問した折、歴史を感じさせる黄ばんだ四枚の原稿を拝見した。KS鋼(※1)の発明者、本多光太郎博士の自筆の祝辞である。行間の推敲に呻吟も伺える貴重な物で、そこに現代社会にも通じる普遍性と不易性を発見し、感銘を受けた。この祝辞は、前身の東北金属工業(株)の竣工式(昭和13年)で述べられたものである。
この会社は国家の要請を受け、官学産の協力のもと、通信用の材料及び機器の製造販売を目的として設立された。住友家とは関係の深い、博士の金属材料研究所(※2)が電気通信研究所(※3)と共に全面的に技術援助を行った。
国家存亡の危機感漂う当時と、六十有余年経た現在では、取り巻く社会経済環境は同質とは言い難い。だが、大きな構造変革を迫られている今だからこそ、先達の言に耳を傾け、あるべき基本精神を心して問い直すことが肝要ではなかろうか。博士の原稿からキーワードを拝借し、思うところを述べてみたい。
まず、日本の企業が置かれている現状を分析し、極端な捉え方、とのそしりを覚悟で敢えて表現すれば、以下の如きか。
精神的堕落と危機感欠如をもたらした豊かな経済大国日本では、「工業道徳」が欠如し、「自己の従事する工業が社会に対して如何に重要な関係を有するかを理解し、自己の責任の重大なるを自覚し陰日向なく忠実に働き優良なる製品を安価に製作し得る良品廉造」への気迫に欠けている。それは、「従業員の技能を重んじその人格を顧みない者」を輩出し、「工業道徳の観念に乏しい」危機的状況が混沌として忍び寄っている社会、と表現できる。
グローバル化により、異文化異体制から波状的に未曾有の規模で挑戦を受けている現在、組織において各人が置かれた状況を正確に受け止め、会社の運命を決定していく「核」である、との明確な自己オリエンテーションを実行すべきものと思う。
※1 |
強力磁石鋼。大正5年創立の臨時理化学研究所第二部(現 金属材料研究所)の寄付者、住友吉左衛門の頭文字をとったもの。 |
※2, ※3 |
共に東北帝国大学(現 東北大学)付属の研究所 |
松本正義|
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