2007年10月26日 09:36

2000年の社報から<2>


2000年の社報から<1>の続きです。
最後に付け加えてお話ししたいと思います。


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住友電工社報より
 次に、博士は企業存立の大前提として、住友の「伝統的精神は国家的であり奉仕的」と言及する。「国家的」とは、現代ならば、さしずめ「社会的」と言い換えることができようか。現在の企業環境からすると、時代錯誤的でもありユートピア的に響くかもしれない。
 だが、企業目的の大前提が転々とする昨今、この種、骨太で歴史の試練を受けてきた指導的精神に新しい息吹を吹き込み、異文化の優れた精神を注入する必要がある。堅実と安逸を取り違えることなく、使命感をもって、より強固で発展性を秘めた会社基盤を創成していくことが、私ども現役部隊に課せられた大きな責務といえる。
 祝辞は、最後に「・・・(人格者が)工業道徳に重点を置いてすれば・・・上下同心一体となり誠心誠意各々その職務を忠実に遂行することになるから良品を安価に製造し得る(中略)住友の伝統的精神を体せられ工業道徳を重んじ一致協力して会社の為に尽瘁されんことを切望して止みませぬ」と結ばれている。

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 ここまで読んで頂いて、皆さんどのように感じられたでしょうか。もちろん相当に以前の祝辞ですので、表現に古色蒼然とした部分はありますが、本多博士の凛とした姿勢、時代の波にも身動ぎもしない精神には、きっと皆さんも賛嘆し、そして心の深い部分で共感してもらえたのではないでしょうか。
 「工業道徳」という今や使うことのない古めかしい言葉ですら、我々住友に従事するものには、二条からなる営業の要旨以外に住友の事業精神を表すとする「技術の重視」「人材の尊重」「企画の遠大性」そして「自利利他、公私一如」といった言葉を意識すれば、すっと頭にしみ入るような気がしています。


 博士が危惧した「工業道徳の観念に乏しい」危機的状況は、以前のバブル期や昨今のマネーゲーム全盛期に残念ながら日本という国にも蔓延し、大きな爪痕を残しました。
 「金さえあれば」と狂奔するIT成金の何と醜かったことか!
 不易流行という言葉がありますが、当社グループにとっては、本多博士の祝辞の精神、そして「住友の事業精神」に沿って事業を行うことは『不易』であることを、是非とも銘記して頂きたいと思っています。


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松本正義Profile

住友電気工業(株)
社長 松本正義


1944年生まれ、兵庫県出身。
1967年住友電工入社。中部支社長、常務取締役、専務取締役を経て2004年6月社長就任。

趣味はジョギング、読書、絵画鑑賞など。中学時代は野球、高校では柔道、大学では陸上競技のやり投げ選手としてインターカレッジ出場経験もあるスポーツマン。

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