2007年11月20日 09:05
明日に向かって
以前ある雑誌に寄稿した小文ですが、皆さんのなにかの参考になればと思います。このブログに転載しておきます。
日本企業が自己責任経営の第一歩を踏み出したのは、先進諸国が1985年に調印したプラザ合意を契機とする。日本的経営手法は世界の産業界を震憾させ、停滞する米国経済を尻目に「Japan as No.1」との最高の評価を受け「もはや欧米に学ぶものなし」と豪語する経営者もおり、世界レベルで認知される企業も散見され、日本の経営システムが恰も「世界基準」の様相を呈した。
90年代に入りバブルがはじけ、さしもの日本も質量ともにアングロアメリカ経済にその座を明け渡し、暗い閉塞状態に突入、長きに亘ること十年余、東南アジア、東アジア諸国の勢いに助けられ、今漸くトンネルの先に光明が見えてきた。
その間完膚なきまで日本経営論は叩かれ、国際会計基準に集約されるアングロアメリカ型経営に宗旨替えをする企業を輩出してきた。85年以降の流れを観るにつけ戦後の壊滅状態の日本をGDP500兆円の経済大国に仕上げてきた国民の原動力をどこに求めるのか、米ソのデタントに始まるイデオロギー世界から市場経済指向世界への転換が繁栄のインフラを与えたことに疑問の余地はないが、潮流に舵をきる日本人の深層に脈々と流れる精神的特性を明確に意識する時がきていると思う。
「21世紀は日本の世紀」と言い切った米国の未来学者ハーマンカーン博士が1968年京都産業大学の招きで来日。講演において、日本人の精神的本質を的確かつ客観的に指摘した。復興の強い意志をもった日本人像と飽食の時を経て変貌していったそれが比較でき興味深い。博士が観察した当時の日本人像を要約する。日本は「進取の気性に富み」「旺盛な冒険心に富み」「革新的能力に富み」「教育水準が高く向上心に富み」「目標達成指向が強く」「企業の成功と国家の栄光の一体意識が強い」と分析した。復興を信じ陰日向なく努力し、奇跡的な復興を成し遂げた当時の日本人の精神構造が明確に語られている。
以上、今日荒波の如く押し寄せる異文化との大競争時代の中で、失ってはいけない「アイデンティティ」につきカーン博士の言を活用させて頂いた。何かのご参考になれば幸甚です。
松本正義|
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