2008年05月27日 08:50
IWCCウィーン会議に参加して (2-②)
前回、銅の世界も投機対象の例外では無いと書きました。銅の消費量(生産量)は世界で年間18百万トンから多くて20百万トン程度で、今の国内建値を90万円/トンとしますと、金額にしてせいぜい16兆円から18兆円の市場。産地は限られていますし、投資の対象としては手頃な製品(コモディティ)であるといえます。
イタリアのプレゼンターも、現在の問題点を細かくかつ専門家的に分析し、熱っぽく説明し、LME、鉱山会社、精練会社の幹部に「なんとかならないのか」と詰め寄っていましたが、答えは「なんともなりません」でした。
私もファンドを含めた前回メルボルンで開催された合同会議の時に、彼らにクレームをつけ、なんらかのポジティブな対応を求めたのですが、今回と同じ回答がありました。英語で表現しますと“It can not be helped, sorry.”。
よく考えますと当然の回答であり、何らかの強制的手段により規制しない限り何回詰め寄っても同じことになります。
このあたりはこちらもよく判っていますので、自らを守りかつ安定した価格、品質を通じて社会に貢献するためには、代替品を智恵(Science and Technology)を絞って発見していくことに尽きる、即ち、銅の代替品を世に出すことが私どもの責務であると結論づけ、銅の通信ケーブルが今やほとんどが光ケーブルに変わってしまっていること、電力ケーブルへのアルミ材料の更なる活用、高圧、超高圧ケーブルには高温超電導材料が工業化のステップを完了していること、将来は、カーボンナノチューブが中低圧ケーブル用代替品として登場してくるであろうこと等を今回の発表では強調しました。
関係者には、かなりインパクトがあったのではないかとおもいます。なぜなら、世界の銅消費量の65%は電線業界が使用しているからです。
私のプレゼンテーションは、ある人々にとっては一種グチにとられたかもしれませんが、銅が何かに代替されるとは夢にも思わない関係者もかなりいる現状では、われながら意義深くかつ警鐘の意味も含めた内容であったのではないかと思っています。
この2回は少し専門的なブログ内容になりましたが、次回はウィーンの郊外に出かけることにします。
松本正義|
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コメント一覧 (3)
1いつも楽しく拝読しております。
カーボンナノチューブが電線の代わりになるのですか!まったく知りませんでした。いつごろ代替できるのでしょうか。
投稿者:匿名 | 2008年05月27日 10:43
コメントありがとうございます。
事務局よりお答えしますが、カーボンナノチューブは、電線材料への適用をねらって、特に長尺化の観点から種々の成長制御法の確立に向けて研究を行っているところです。
さすがに代替可能となるためにはまだまだ技術的なブレークスルーが必要と思われますが、今後も銅等の金属が投機の対象になるならば、弊社技術陣に一層の奮起をお願いすることが必要になるかも知れません。
投稿者:事務局 | 2008年05月28日 09:07
ご回答ありがとうございます。
御社でカーボンナノチューブの研究をされているのですか。いろいろな要素技術をお持ちですね。
投稿者:匿名 | 2008年05月28日 11:11