2008年10月08日 15:40
2つの号外を見て
昨日(10月7日)のことですが、2つの号外が発行されました。お昼には日本経済新聞の『株価日経平均1万円割れ』、午後には各紙の『南部、小林、益川、日本人3氏がノーベル物理学賞受賞』という号外です。
後者は、日本人の受賞は6年振り、小柴(物理学賞)、田中(化学賞)両氏以来ということで、思わず快哉を叫びたくなるニュースでありました。受賞内容は、日本のお家芸とも言える素粒子研究であり、湯川、朝永両博士以来の輝かしい歴史に新たな栄光が刻まれたことには、深く敬意を表したいと思います。
新聞等で読んだだけでは理解するにも苦労しますが、南部氏の発見した「自発的対称性の破れ」は質量の起源などの理論的説明につながるもので、その後も数十年間に亘り、米国在住で第一線の研究者として活躍してきたとのこと。
そして、小林、益川両氏は、小林・益川理論により素粒子のクォークが6種類あることを予言し、現在の素粒子物理学の3つの基本的な力を説明する標準模型の確立に大きな貢献をなしたと書かれています。
クォークは、物質を構成する基本粒子で、その当時は4種類が予言され、残り1種類は見つかっていない状況であったにも拘わらず、一気に6種類を予言したという魅力的な説明を聞くと、両氏の柔軟な発想に感心します。
昨今では、クォークのさらに先、それを構成する基本的単位を弦と捉える南部氏が提唱した弦理論をもとに創り上げられた超弦理論(超ひも理論)などにより、宇宙の始まりや4つの基本的な力の統一といったテーマへの挑戦が進んでいるとのことで、凡人にはなかなか理解困難な分野ですが、日本人の研究者のさらなる活躍に期待したいところです。
という素晴らしいニュースに引き替え、前者の号外は少なからず憤然として眺めるしかありませんでした。
本ブログでも再々注意喚起したサブプライムローンの破綻に伴う米国金融証券業界の経営不安は、グローバルな実体経済に対しても大きな悪影響を与えつつあります。
特に、日本経済に関して言えば、不動産バブルの教訓もあり金融関連にはさほどの影響は無く、また長期間に亘り緩やかな成長が続いていたことで、各社業績にも余裕があったであろうと思うのですが、そういった実態には関係なく、海外からのヘッジ売りの圧力は大きく、株価は全面的に下がり、とうとう情報バブル崩壊等により企業業績が悪化した5年前の水準、日経平均10000円割れにまで落ち込んでしまいました。
その当時も私はボードメンバーの一人であり、大変な事態が到来したと思いました。本当に「歴史は繰り返す」ですね。
当社の株価も全く冴えない状況で、経営者として忸怩たる思いがありますが、さすがにこのパニック売りの中で慌ててもどうしようもないので、全グループ社員に、「慌ててはいけない!」と、企業価値向上に向けた王道、すなわち企業体質の強化を徹底するとともに、業績確保に向けて取り組んで行くように指示しました。
技術立国という言葉がありますが、今回の受賞を始め、まだまだ日本には新しい技術創造への力が残っていると信じています。しっかりした技術基盤をベースにして、速やかに業績の向上に取り組んで参ります。
松本正義|
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