2009年07月01日 11:49
アグリビジネス
日本の食糧自給率、いくらかご存じでしょうか?カロリーベースでは、直近で約40%。日頃は食糧不足を意識することは少ないと思いますが、この数字を聞いて不安に感じる人は多いのではないでしょうか。
遡って、1970年当時の自給率は60%、当社の北川会長は、その頃から講演会で問題提起し、工業生産分野で培ったQC、IEなどの品質管理技術を活用したアグリビジネスへ参入し、九州大学の福島名誉教授が提唱した砂栽培の事業化に約30年間取り組んだことがありました。
1974年には、旧関東製作所(栃木県鹿沼市)にて1万㎡の実験施設を建設、サンド(砂)とハイドロポニックス(水耕栽培)を組み合わせ「サンドポニックス」と命名し、野菜や果物の栽培に進出、その後、1977年に拠点を横浜製作所に移転、一時は全国の農家150戸と契約し、延べ面積10haに及ぶ規模にまで拡大、その間、世界的な食料不足問題も視野に入れ1982~84年にかけては、アラブ首長国連邦のアブダビに技術者を派遣し、砂漠での農業定着を目指し栽培実験、栽培指導を行った実績もありましたが、残念ながら2003年に価格競争力や生産量・需要先の安定確保の問題もあり事業撤退に至りました。
先日、この「サンドポニックス」を用いた野菜、果物作りを続けている農家が今もあり、そこで作られたトマトの味は格別だったとの話を伺いました。曰く、水くさく無く、味が濃いとのことで、当社は事業を撤退しましたが、その技術が未だ活躍していることに感動を覚えました。
近年、人口増加と途上国の経済発展、地球規模の気候変動などを背景に、食糧問題は、地球上のすべての生命にとり大問題になりつつあります。我が国においても、経済産業省と農林水産省が農商工連携を進め、日本経団連も「我が国の総合的な食料供給力強化に向けた提言」を今年3月にまとめるなど、農業問題への関心は高まっており、農地の有効利用の促進、農地法の改正、WTO・EPA(経済連携協定)による国際連携の推進、食の安全安心など、国民的な課題になっています。
そういえば、ハイブリッドの次は電気か?と言われている自動車も、世界的な環境・資源問題を背景として100年前の技術テーマが再び脚光を浴び開発競争が始まっています。先ほどの農家の方から、当社も再び農業に挑戦してはというリップサービスもあったそうです。実際、企業のアグリビジネス参入との報道も多く見かけます。グローバル化の波は工業にとどまらず農業にも及び、また様々な技術の進歩が農業を大きく変えようとしています。40年前には先取りしすぎていた(?)感のある当社のアグリビジネスですが、花鳥風月を愛する一人として草花も含め、当社グループの技術がどういう分野で活かせるのかじっくりと考える価値がありそうですね。
松本正義|
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