2009年09月03日 09:10
「ものづくり日本大賞・優秀賞」を受賞
このたび、山陽特殊製鋼㈱(※)と共同で開発した「超高圧架空送電線用高強度インバー合金線」について、第3回「ものづくり日本大賞」の優秀賞を受賞しました。当社としては初めての受賞です。(※:以下山特さんと呼ばせていただきます)
本賞は、平成17年にはじまり2年に1回、日本の産業・文化を支えてきた「ものづくり」に携わる優秀な人材を表彰する制度で、山特さんの5名の方々と当社の5名が表彰を受けました。今回は、経済産業省関係では、申請総数679件の中から、内閣総理大臣賞5件、経済産業大臣賞21件、特別賞11件、優秀賞72件が選ばれました。
インバーとは鉄とニッケルを主成分とした合金ですが、熱膨張係数が低く、時計等精密部品に幅広く使われてきました。当社はこのインバーを高強度化し、超高圧架空送電線の強度を保つ中心部の芯線に使用できるよう開発を進め実用化してきました。超高圧架空送電線の芯線には一般には鋼線が使われていますが、鋼線の代わりにインバー合金線を用いること及び特殊な耐熱アルミ線を導体に用いる事で、送電時の発熱による電線のたるみを抑制でき、アルミの軟化も防止できるため、電線として同じ太さで従来の2倍の電力を送電することが可能になります。当社はインバー線を使った電線の発明会社であり、1980年に世界で初めて実用化(日立電線と共同で)しています。既設の送電線の張り替えの際に、鉄塔の更新なしに安価で送電容量を増やすこともでき、また、鉄塔を新設する際も電線のたるみが小さいため、鉄塔を低く設計することが可能で、電力インフラ整備費用の節約はもちろん、自然環境への影響度が小さくなるなど、環境に優しい製品です。
2000年代に入り中国,台湾など東南アジアで需要が伸びはじめ、最近は中近東,欧州からの引き合いも増えてきています。
今回の受賞の内容は従来のインバー合金線を靱性を確保しつつ更に高強度化し、電線として使用しやすい新たな合金を開発して実用化、事業化したことにあります。本製品の事業化には、電線メーカーとして当社のノウハウが役立っていますが、山特さんが持つ特殊合金の製造技術がなくてはならないものでした。品質の安定、量産化における関係者の皆さんのご努力には大変感謝しております。お互いの得意技術を出し合い、補い合っての受賞という点でも好事例です。
さて、電線と言えば、皆さんは銅を思い浮かべると思いますが、架空線には軽さの点からアルミが利用され、当社は古くからアルミ合金技術を蓄積してきました。今回の受賞者の中には、大阪製作所の研究、電線部門の技術者に加え、グループ会社の富山住友電工㈱の技術者も含まれています。富山では、自転車用や自動車用などのアルミ合金事業を展開していますが、環境・エネルギーをテーマに車輌の軽量化が求められており、アルミ技術が鍵になります。今後の事業拡大に向けての活躍を期待しています。
松本正義|
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