2010年09月02日 09:39
京都経営者協会での講演(2)
1時間半の話を簡単に要約するのは無理がありますが、誤解を招かないよう言いたかった要点をまとめてみました。
1.最初に『住友事業精神』を取り上げたのは、400年にわたり住友グループの精神的な基盤として脈々と受け継がれた正に不易の教えであり、「萬事入精」「信用確実」「不趨浮利」の他、「自利利他、公私一如」や「君子財愛す。これをとるに道あり。」などの精神、現在さらには21世紀型ビジネスモデルの原理に相応しいものだからです。
2.『Captains of Industry(経営騎士道の精神)』は、約150年前、英国ビクトリア朝時代、思想家トマス・カーライルが唱えた概念。今よりも大きな格差社会だった当時、営利至上主義の弊害を排し、人間愛をベースにした「経営騎士道」を産業界のリーダーは持つべきだと主張。一橋大学の校是とも言えるもので、今にも通じる教えです。
3.米国ではオバマ政権が誕生、日米欧においても『株主資本主義に対する公益資本主義の動き』があり、今再び、様々なStake Holdersの利益に配慮したバランスある経営が求められています。
4.『エリート(リーダー)の養成』。エリートについては丹羽宇一郎氏の「人は仕事で磨かれる」を、教養については猪木武徳氏の「大学の反省」を参照願いますが、無私の心を持った気骨ある異端児(気骨とは己を信じ気迫を持って問題を突破する能力、異端児とは解決への道筋を人と違った角度から発想できる人材)であるエリートが、今まさに求められています。
5.『組織の基本形と活性化』では、理想的な会社組織は、クリスタルなピラミッド組織、極めて透明性の高い階層組織。そのためには、双方向コミュニケーションを通じインフォーマルからフォーマルへのプロセスが生まれる自由闊達な雰囲気づくりが大切。活性化には、安心して働ける組織作りと同時に、時間軸と出口を明確化してぬるま湯にならない、達成オリエンテッドな組織づくりが必要です。
6.『私見としての21世紀型ビジネスモデルに向けた道標』では、私が交誼を受けた人から感銘を受けた、人材、ビジネスの基盤となるキーワードについて紹介しました。その中からエピソードを一つ。
1960年代、米国の未来学者ハーマン・カーンは、日本の若きアントレプレナーと会い、進取の気性、旺盛なる冒険心、革新的指向、目標達成意欲、国際性(視点・順応性)、社会性尊重、文化教育の高さに触れ、日本の成長を予言。果たして、今はどうか。日本の成長戦略が問われる今日、そうした人材の育成、登場が期待されています。
松本正義|
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