2010年10月15日 08:57
一橋大学 関西アカデミア~都市の創造性~
3連休初日の10月9日に、これまで何度か本ブログで紹介しました「一橋大学関西アカデミア 第6回シンポジウム」に出席してきました。今回は、旧三商大で交流のある大阪市立大学との共催で、「都市の創造性」をテーマに、詩人・作家の辻井喬氏の基調講演の後、大阪市立大学都市研究プラザ所長の佐々木雅幸教授、同副所長の水内俊雄教授、一橋大学名誉教授で大学院社会学研究科の田崎宣義特任教授、同研究科の町村敬志教授によるパネル・ディスカッションが行われました。
現代都市の抱える問題や創造的な都市について様々な視点で問題提起、議論がありました。また、パネル・ディスカッションでは、司会者が「住みたい町」、「理想の町」などのお題を出し、パネリストが即興でそれに答える、という大喜利風の進行もあり、普段なかなか馴染みの無い話題ですが、大変興味深く聞かせていただきました。アカデミックな内容もあり、うまく整理するのは難しいのですが、簡単にご紹介してみます。
市場原理に基づいて開発、発展し巨大化してきた現代都市においては、産業の衰退や人口の減少、高齢化なども背景に、共同体としての機能が衰弱、消滅してきている。本来、都市は、そこに住み、生活している住民が主役であり、安心して暮らせる生活空間やインフラを形成・維持する一方で、豊かな文化を育み、人々の欲求の多様化や高度化に対応し、自己実現の場や機会を潤沢に提供する能力を求められている。
そうした観点から、優れた「創造都市」とは、一つには文化芸術活動を担う人たちが活躍できる環境が整備された都市とし、職人と音楽の町であるイタリアのボローニャ、先端アートを生み出すスペインのバルセロナ、日本では伝統文化と現代文化の融合が実践されている金沢、アーティストやクリエーターの活動拠点を提供する横浜、勿論、80年前、母校・一橋大学の神田一ツ橋からの移転を契機に大学町「文教地区」として発展してきた国立市も、代表例の一つ。また一方、全ての住民、特に社会的弱者である高齢者やホームレスの人たちも「包摂」して発展、活性化を実現していくのも「創造都市」のあるべき姿であり、ホームレス支援の取り組みも紹介されていました。
今回のテーマは、考えてみると企業経営にも置き換えられる面もあるように思いました。企業は、経済・市場原理に基づき活動していますが、企業が活力を持ち価値を創造し発展していくためには、社員一人一人が能力を発揮できる環境を提供していくことや、多様な人材を「包摂」し総力を結集していくことが求められてくる、ということではないかと。
また、パネリストの「都市は常に変化しているが、よりよい方向へ変化することに、自ら積極的に協力することで、市民権を得ていきたい」という発言には共感できました。個人も勿論、企業も一企業市民として、地域の活動に参加・協力し、都市の創造性に貢献していくことが大切だと改めて感じさせてくれるセミナーでした。
松本正義|
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