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高温超電導ケーブル 実用送電路における送電実証試験プロジェクト

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Albanyプロジェクトへの参画
科学技術の最先端をゆく超大国アメリカで、2001年1月のカリフォルニア州広域停電に続き、2003年の8月14日に、いわゆる北米大停電が起こりました。

その他にも、送配電線の損傷や地下ケーブル、発電所の火災など、多くの電力トラブルが頻発しており、日本では殆どなくなった停電が日常茶飯事のように起こっています。この原因のひとつは、戦火にまみえず、また、電力自由化等による投資の抑制によって更新が遅れたために、時代遅れになっている送配電網であると考えられています。

三心一括型超電導ケーブル

現在、アメリカのエネルギー戦略では、2030年までに超電導ケーブルによる強固な送配電網を全米に構築する計画が検討されています。日本での超電導ケーブルの検証経験をもとに、住友電工がアメリカにおける超電導ケーブルのプロジェクトに参画することを決めたのは、奇しくも、この北米大停電の直前のことでした。現在、世界最高性能で長尺のビスマス系超電導線の製造を可能とした独自のCT-OP(加圧焼成)プロセスに目処をつけたのもちょうどこの頃で、これら日本発の技術*を携え、満を持してこのアメリカのエネルギー戦略を担うプロジェクトに飛び込んだのです。

アメリカ政府及びニューヨーク州の資金(税金)を使うため、アメリカのSuperPower社がプロジェクトマネージャとなり、住友電工グループがビスマス系超電導線と端末、ジョイントを含む超電導ケーブルシステム一式を製作、施工します。超電導状態を保つために必要な冷却については、全米に工業ガスプラントの遠隔監視網を持つBOC社(イギリス系)が担当し、ニューヨーク州の電力会社であるNiagara Mohawk社(現在、National Grid社)の実系統に超電導ケーブルを布設し、実際の送電を行う米英日の国際共同プロジェクトがはじまりました。経済産業省によると、このAlbany プロジェクトが、日本の企業の中でアメリカ政府資金のプロジェクトに参加した初めてのケースであるとのことでした。

海を越えた高温超電導ケーブル

建設現場はニューヨーク州の州都であるAlbany市で、ハドソン川に沿った2つの変電所を結ぶ3.2km(2マイル)のルートの途中に350mの超電導ケーブルを布設します。当社独自の製法であるCT-OPプロセスによって製作された約70kmのDI-BSCCO(革新的ビスマス系)超電導線によって、超電導ケーブルが製作され、2005年8月神戸港を出航、世界で初めて超電導ケーブルが太平洋を渡り、パナマ運河を通って、9月にAlbany市に到着しました。

Albany市:ハドソン川に沿った2つの変電所を結ぶ3.2km(2マイル)の
ルートの途中に350mの超電導ケーブルを布設
海を越えた高温超電導ケーブル
超電導ケーブル 神戸港にて パナマ運河のミラフォーレ関門を通過中
建設工事開始 アメリカに上陸 パナマ運河のミラフォーレ関門を通過中

それから建設が始まりましたが、管路工事中に環境の問題で工事が止まり、-20℃という極寒の地で工事は中断しつつも、遅い春の訪れとともに、端末(マイナス約200℃の超電導部を常温に引き出す部分)と世界で初めて実証される超電導電力ケーブル同士のジョイントを含めて建設工事が完了しました。

灯りを点し続けるAlbanyケーブル

超電導ケーブルのジョイント部

工事完了後、冷却装置のテスト、電力関連のテストを経て、超電導性能を確認した後、アメリカ東海岸時間で7月20日の午後9時、超電導ケーブルとして世界で初めて実用(地下)送電路に接続されました。これは人類が初めて月面を歩いた日からちょうど37年目で、バイキング1号が火星に着陸した日からちょうど 30年目という米国にとっては非常に感慨深い日です。

三心一括型気中端末部

8月2日にはニューヨーク州のPataki知事、Canestrari 州議員が来賓として出席される中、当社の松本社長も出席して盛大な竣工式が開催されました。この竣工式でPataki知事は住友電工の技術とリーダーシップを称え、演説されました。「最近起こったクイーンズ地区での停電は、配電系統の故障で、大電力を流すために一つの幹線のケーブルが溶けたからだ。しかし、本日からはこのようなことは起こらないであろう。何故なら、ここAlbanyで世界の歴史上初めて、実線路に超電導ケーブルが適用されたからである。これは過去にないことであり、誇りに思うべきことである。この技術は、単に新しいテクノロジーというだけでなく、劇的なブレイクスルーである。どんな状態でも灯りは点り続けねばならない。そのためには、この新しい技術が必要である。このAlbanyの技術を改良し、将来はニューヨーク州、アメリカ全土、世界へ広がっていくことを期待している。(一部)」 この超電導ケーブルは現在まで全くトラブルなく、無人で運転され続けています。

Pataki知事 Pataki知事と松本社長

ビスマス系超電導材料は、日本の金属材料技術研究所(現:独立行政法人 物質・材料研究機構)の前田弘先生が発見。

超電導Webサイト http://www.sei.co.jp/super/
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