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2011年 研究開発篇

SEI CSR EYE 「技術の重視」の精神が事業発展の原動力  住友電工グループは、Glorious Excellent Companyの実現に向けて、研究開発とその成果の事業化推進に取り組んでいます。特に当社グループの重要な事業領域であるエネルギー分野、情報通信分野、自動車分野で大きな変化が生じつつあり、このような社会変化を捉え、将来社会が必要とする製品やサービスを創出するための研究開発活動を開始しています。
事業の多様性から生まれる オリジナリティあふれる 新技術の研究開発

住友電工では、研究開発こそが企業の持続的発展のエンジンであるとの信念に基づき、独自の新製品・新技術を開発し、社会に役立つ製品・技術・サービスを提供してきました。

住友電工グループの現在の事業ポートフォリオは、自動車、情報通信、エレクトロニクス、電線・機材・エネルギー、産業素材の5分野です。これらは、当社グループがこれまで蓄積してきた独創的な技術開発力を発揮し、社会の発展に貢献できる事業分野であり、同時に、経営資源の最適配分により当社グループの持続的成長を可能とする戦略的分野でもあります。

こうした事業ポートフォリオを技術開発面で支えるのが研究開発であり、企業を取り巻く環境が大きく変化する中にあって、新製品開発、新規事業育成を通じてグループの成長に寄与するという研究開発部門の果たすべき役割はますます重要になっています。

住友電工グループの研究開発費の推移
新しい事業領域への発展を目指して

「12ビジョン」では、「2012年度の売上高新製品比率30%」を目標として掲げています。

この目標を達成するためには、従来の事業分野での新製品開発に加えて、当社グループのコア技術を活用した新規事業領域の開拓が不可欠です。研究開発本部では、「ライフサイエンス」、「環境・エネルギー・資源」、「安全安心・ユビキタス」の3分野を重点領域に設定して研究開発に取り組んできています。

ライフサイエンス

ライフサイエンス分野では、情報通信で育んだ技術を活用して、従来なかった近赤外分光イメージング装置(Compovision)を開発し、食品、製薬、医療等の分野への製品展開を進めています。

環境・エネルギー・資源

環境・エネルギー・資源の分野では、水資源に着目し、船舶のバラスト水の処理装置、海水淡水化関連装置の実用化に向けて開発を進めています。また、再生可能エネルギーや農業の工業化、希少資源の有効利用などの研究開発にも取り組んでいます。

安全安心・ユビキタス

ブロードバンド通信を支える光通信・無線通信・端末機器に関する技術を活用し、自動車交通をはじめ、安全安心・ユビキタスを実現するシステム製品の研究開発を進めています。

今後の社会変革をリードする 技術革新とNEXTセンター

リーマンショック後、あらゆる分野でパラダイムシフトが進行しています。こうした経済・社会の大規模かつ劇的な変動に対応し、当社グループの将来的な事業の方向付けを行うため、2010年1月に研究開発本部内にNEXTセンターを新設しました。

NEXTセンターでは、国内外の有識者や先端的な研究機関などと協力連携し、社会変化と先端技術動向に関する議論を進め、30年先の未来社会のあるべき姿を予測し、そこに至るまでに必要となる革新技術や当社の事業の変化を想定しています(図1)。

具体的には、将来にわたって生じる大きな社会変化のキーワードを5つ抽出し(図2)、社会に変革をもたらすような大きな変化は一つないし複数のキーワードに関連して発生すると考えています。分かりやすい例でいえば、スマートグリッドは「エネルギーとコミュニケーションの重なる領域」における変化、また、自動車の軽量化や電気モータ化などは「エネルギーとモビリティの重なる領域」で生じている変化として捉えることができます。

これらの社会変革につながるような大きな変化を左右する技術を先行して研究開発することで、社会的課題を解決するイノベーションを生み出し、当社グループの将来の軸となる大型新事業を創出していくことがNEXTセンターのミッションです。

 

スマートグリッド

人工知能や通信機能を搭載した計測機器等を設置し、電力の流れを供給側・需要側の両方から自動的に調整する機能を持たせることにより、最適化できる送電網
図1 NEXTセンターのミッション
エネルギーの高効率利用社会の 実現を目指して

現在、NEXTセンターが特に着目しているのは「都市」です。都市は5つのキーワードが重なり合う領域であり、いずれの観点からも大きな変化が生じつつある場所です。NEXTセンターでは、さまざまな発展過程にある世界の各都市が将来にわたり変化していく姿を描くことを通じて、電力システム、情報通信システム、交通管制システムなど豊富な基盤技術を有する当社グループが新しい都市インフラの創出に寄与する可能性を多面的に検討しています。

特にスマートグリッドにおいては、太陽光発電や風力発電などの発電装置や電気自動車への給電システム、需要調整に用いる二次電池など多様な機器の制御を行う必要があり、情報通信技術を活用した統合システムの構築が重要です。

次ページではスマートグリッドに関する一つの研究成果として、これらの機器を実際に接続して全体を制御する未来型電力ネットワーク「マイクロスマートグリッド実証システム」についてご紹介します。

 

※研究開発の概要につきましてはこちらをご覧ください。研究開発


社長松本正義Blog 2011年10月17日 
研究開発への期待

社長松本正義Blog 2011年08月19日 
WinD Lab、風のモニュメント

図2 社会の変化を捉える5つのキーワード

 ・Compovision、ポアフロンは住友電気工業株式会社の登録商標です。

 

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